若くして才能を披露して高く評価された選手が、そのままスター選手として活躍し続ける保証はない。怪我やプレッシャーに苦しみコンディションを落とす選手がいれば、ピッチ外での問題で活躍の場を失っていく選手も多い。今回は大きな期待を背負いながらも、大舞台から姿を消したオランダ人選手を紹介する。
バルセロナ移籍後は苦悩の連続
【写真:Getty Images】
FW:イブラヒム・アフェライ
現所属クラブ:現役引退
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2004年、イブラヒム・アフェライは17歳という若さで強豪PSVのトップチームデビューを飾った。そこからの成長ぶりは凄まじく、翌2005年にはレギュラーに定着。2006/07シーズン中にはオランダ代表デビューを飾り、同シーズン終了後にはヨハン・クライフ賞(オランダ年間若手最優秀選手賞)にも選出されている。そうした活躍もあり、アフェライは将来的にオランダ代表の中心的存在になると思われていた。
スピードを活かしたキレの良いドリブルを武器にPSVに4つのリーグタイトルをもたらしたアフェライは、2010/11シーズン途中にバルセロナ移籍を掴み取っている。しかし、これが悪夢の始まりだった。スペインの強豪ではライバルたちの高い壁を超えられず、ベンチスタートがほとんど。在籍2年目は怪我の影響により、リーグ戦でのプレータイムはわずか119分しかなかった。
輝きを失ったアフェライはその後シャルケ、オリンピアコスへのレンタルを経験するも不発。2015年にフリーで加入したストークでは1年目こそ満足いく出場機会を得たが、2年目はバルセロナ時代にも悩まされた怪我により出番が激減。3年目も負傷によってスタートダッシュに失敗し、さらにシーズン途中より指揮を執ったポール・ランバートにより練習態度の悪さを指摘され、干される始末となってしまった。
結局ストークでも居場所を失ったアフェライは2019年にPSVに復帰するも活躍できず、昨年フリーの身に。そして今年2月、34歳で所属クラブがないまま現役生活を終える決断をしている。オランダ代表では通算53試合にするも、クラブキャリアではバルセロナ移籍後に多くの光を失ってしまったアフェライは「僕が望んでいたことは起きなかった。だけど今は幸せだ。遅かれ早かれこの時が来るのは分かっていた。それは美しいものだった」と引退の際にコメントを残している。
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