18人中16人はほぼ決まった?
フォーメーションは定着した4-2-3-1でスタート。トップ下と右サイドは久保建英と堂安律がポジションを入れ替えながらプレーする。そこに酒井宏樹が絡む右サイドは強力だった。個人技でもコンビネーションでも破る力がある。
左は三笘薫と旗手の川崎フロンターレのペア。前半は右に比べると目立たなかったが、後半には三笘が自陣から一気にドリブルで駆け抜けて上田綺世のゴールをアシストするスーパープレーをみせた。
1トップは前田大然が先発、後半から上田。上田はガーナ戦に続く連続得点、パスを引き出す動きの良さがあるので当確だと思う。6人目の交代だった三好康児は、右とトッププレーできる。こちらもかなり有力だろう。
負傷している冨安健洋、板倉に問題がないなら、18人中16人はほぼ決まったのではないかと思われる。上田のバックアップを誰にするか、右SBとCBのバックアップのどちらを優先するかという選択だろうか。
3-4-2-1のオプションも試した。ウイングバックの左に相馬勇紀、右が橋岡大樹だった。縦突破の両翼なので攻撃はよりシンプルになる。ただ、3-0とリードした後の変更だったので主眼は試合を終わらせるほうにあるのかもしれない。
東京五輪のグループステージは、フランス、南アフリカ、メキシコという非常に厳しいグループに入っている。ただし、五輪はワールドカップではないのでチームとしてはさほどまとまっていないケースが多い。今回の日本は個の力もあり、チームとしても予想外に素早く仕上がっている。開催国で気候への耐性もあり期待していいのではないか。
(文:西部謙司)
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