U-24日本代表は12日、ジャマイカ代表との国際親善試合を行い、4-0で勝利した。東京五輪本大会のメンバー発表前最後の試合となったこの日は17人がプレー。チーム作りは佳境を迎えるが、U-24日本代表がメダルを獲得するための壁はどこにあるのか。(取材・文:元川悦子)
焦点は「誰を組み合わせるか」に
6月22日前後に東京五輪最終登録メンバー発表を控えるU-24日本代表。12日のジャマイカ代表戦は選手個々にとって最終アピールの場。ここでのパフォーマンス次第で大舞台に手が届くか否かが決まる。多少のプレッシャーがかかる中での一戦となった。
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そういう意味もあって、横内昭展監督は3日の日本代表戦のように当落線上の選手を中心としたチーム構成で戦うと思われた。が、ふたを開けてみると、吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航のオーバーエージ(OA)3人を筆頭に、久保建英、堂安律ら主力が揃って出場。テスト的な意味合いが強かったのは町田浩樹、旗手怜央・三笘薫ら左寄りの面々だった。森保一・横内両指揮官の中では「すでに軸は決まっていて、彼らに誰を組み合わせるか」という段階に入っているのだろう。
ジャマイカはA代表で、来日から10日程度経っているということで、コンディションのいい状態で挑んで来ると思われた。実際、開始早々の時間帯は彼らがボールを支配。U-24日本代表が受ける展開となった。フィジカルに秀でる彼らは当たりや球際も激しく、なかなか得点を奪えない。久保の20分の左からのシュートがポストを叩くなど、惜しいチャンスもモノにできなかった。
この膠着状態を打破したのが、飲水タイム明けの32分。酒井宏樹の「裏裏」というアドバイスに久保が反応。敵陣深い位置でスローインを受け、左足で切り返して4人の股を抜く豪快な先制点を奪った。
「審判も再三『始まるよ』と相手チームに促していた。彼らも油断している感じだったので、あえてフラフラしつつ、裏を狙った感じです」
背番号11は一瞬のスキを巧みに突いたことを説明したが、真夏の猛暑の中で開かれる東京五輪では、こういったプレーが非常に重要だ。コロナ対策でホテルと試合会場だけを行き来するバブルも徹底される中、外国人選手たちが感じるストレスも凄まじく、そのイライラもプレーに出るだろう。
忍耐力が高く、この環境に慣れているU-24日本代表はやはり有利。それを分かったうえで、OAの3人と久保ら国際経験豊富な面々は攻めどころをいち早く察知した。それは本大会でも徹底すべき点と言っていい。