圧倒的な質を誇っていたのは…
まず一つは、イタリア代表のハイプレッシャーがかなり効いていたことだ。とくに中盤3枚、ジョルジーニョ、ニコロ・バレッラ、マヌエル・ロカテッリが見せたプレーの質は、格別に高かった。
トルコ代表を率いるシェノール・ギネシュ監督は試合後「我々の日ではなかった。最初からボールを失い続けてしまい、前へ出られなかった」とコメントを残していた。イタリア代表はボールを失った後素早く切り替え、攻撃的な守備で即時奪回を徹底。ギネシュ監督の言葉通り、トルコ代表の前進を許さなかった。
最前線チーロ・インモービレを筆頭に、インシーニェ、ドメニコ・ベラルディなど、ピッチに立つ全員が高い位置からの積極的なプレスをサボることがなかったが、上記した通りトルコ代表の大きな悩みとなっていたのは中盤3枚だった。
バレッラ、ロカテッリの両者は所属クラブでも披露している通り、豊富な運動量を武器にタフなディフェンスでボールホルダーから自由を奪った。ジョルジーニョはその2人に比べ強度という部分は劣ったかもしれないが、読みの鋭さとポジショニングの良さを駆使して何度も攻撃をシャットアウト。事実、インターセプト数4回は両チーム合わせてトップの数字だった。
イタリア代表の中盤のフィルターが機能したことで、トルコ代表はボールを保持しながら攻めることが難しくなり、攻撃の形はほぼブラク・ユルマズへの1本のロングフィードとなっていた。ただ、単純なロングボールはジョルジョ・キエッリーニ、レオナルド・ボヌッチという百戦錬磨のCBコンビがことごとくはじき返す。そのセカンドボールもジョルジーニョらが的確に回収することで、イタリア代表はペースを握り続けた。
レオナルド・スピナッツォーラ、アレッサンドロ・フロレンツィの両サイドバックが上がった後の裏のスペースはやや不安だったが、そもそもハイプレスがハマっているため、そこへ精度の良いボールを送り込まれることは限定的。イタリア代表はこうしてトルコ代表の攻め手を削り続け、被シュート数3本に抑えることに成功したのだ。