「普通にできないとダメ」鎌田大地が語る世界基準
「前半はみんなリスクを避けすぎて、後ろとか横にパスをしすぎていた。世界のトップと比べるともっと普通にできないとダメだと思うし、前半は全然納得いくゲームじゃなかった」とズバリ言い切ったのは鎌田だ。今季ドイツ・ブンデスリーガ1部で得点・アシスト合計17(5得点12アシスト)を記録した「世界基準」で見ると、シュート2本に終わった前半はダメ出しに値する内容だったのだろう。
キャプテンマークを巻いた長友が「前半はうまくいかなくてもゼロで抑えることが大事」と強調した通り、無失点で乗り切ったことは評価できる部分ではある。だが、2022年のカタールワールドカップ8強を目指すチームとしては、満足できない不完全燃焼感が色濃く残る試合運びだったと言わざるを得ない。
要因はいくつかあるが、ボランチのゲームコントロール力が1つ引っ掛かる。
遠藤航がU-24日本代表に帯同している今回は、守田英正と橋本拳人という現時点でのファーストチョイスがコンビを組んだ。彼らがボールを持ったときにセルビアが複数人数でボールを奪いにきたことでストレスを感じたのか、積極性を欠いたように映ったのだ。
特に橋本は縦パスのミスやプレーの粗さが目立ち、カウンターを繰り出されそうなピンチを何度か招いた。7日の2022年カタールワールドカップ2次予選・タジキスタン代表戦でもそれは見られたこと。そのときは切り替えの速さですぐさま対応してピンチを未然に防いでいたが、強度の高いセルビア相手だと必ずしもそうもいかない。そこは彼自身、修正すべき点だろう。
守田にしても前半終了間際に右サイドの伊東に大きなサイドチェンジを供給するなど、視野に広さや展開力を示すようになった。だが、それまではかなり苦しんだ印象だ。
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