横浜F・マリノスは10日、アンジェ・ポステコグルー監督の退任を発表した。マリノスを2019年のJ1リーグ制覇へと導いた指揮官は、スコットランドの強豪セルティックの監督に就任する。退任と就任を巡る反応の違いは、日本と英国のサッカーにおける期待や重圧の差を表しているのだろうか。(文:ショーン・キャロル)
指揮官を失った横浜F・マリノス
サッカーの監督というのはクラブを渡り歩くものだ。毎週のように世界のどこかで監督がクビになったり辞任したりしており、2021シーズンのJリーグでもすでに3つのディビジョンで計13件の監督交代が起こった。
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基本的に、監督との別れに対するサポーターの反応には2種類ある。クラブを去るボスを支持していなかったファンの場合は安心感、さらに言えば幸福感。そして、続投を望んでいたファンの場合であれば怒りや悲しみだ。
しかし、アンジェ・ポステコグルー監督と横浜F・マリノスとの別れはもう少し複雑なものだったと言える。
日本における監督交代は、ほとんどの場合チームの成績が望ましい水準に達していない時に起こる。クラブ側が決断を下す場合もあれば、現職の指揮官が自ら身を引く場合もある。だがポステコグルーとマリノスの場合はこれに該当するものではない。Jリーグの監督が他国からのオファーにより積極的に引き抜かれるという珍しいケースのひとつであり、マリノスサポーターは落胆や諦めの思いを抱きつつ受け入れることを余儀なくされる。
ソーシャルメディア上でも様々な反応があったが、一般的なサポーターの思いを把握する上で最適な手法ではないことは否めない。そこでの議論は、議論と呼べるものであるかどうかも分からないが、結局は両極端の大きな声で埋め尽くされてしまう。熟慮されバランスの取れたコメントなどほとんど目にすることができない。それでも噂に対する海外の反応は興味深いものであり、Jリーグが外からどう見られているかを確認できる機会となった。