日本代表は11日、キリンチャレンジカップ2021でセルビア代表と対戦する。かつて名古屋グランパスも指揮したドラガン・ストイコビッチ監督率いるチームを前に、果たして森保ジャパンはどのようなパフォーマンスを見せるだろうか。
セルビアもベストメンバーではないが…
森保一監督率いる日本代表は11日、キリンチャレンジカップ2021でセルビア代表と対戦する。
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かつてJリーグでも活躍したドラガン・ストイコビッチ監督率いるセルビア代表だが、今回セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチやドゥシャン・タディッチといった選手は招集外。当初はメンバー入りしていたドゥシャン・ヴラホビッチやアレクサンダル・ミトロビッチといった選手も結局は来日できず。いわゆる“ベストメンバー”が揃っていないのは事実だ。
それでも、ここまで日本代表が戦ってきたミャンマー代表やタジキスタン代表よりもレベルが遥かに高いのは明らか。森保ジャパンにとってセルビア代表は、自分たちの力を試すという意味で格好の相手になることだろう。
森保監督は前日会見でセルビア代表戦のスターティングメンバーについて言及。3日に行われたU-24日本代表戦のメンバーが“中心”になることを示唆していた。今回は、そうした点を踏まえスタメン案を紹介していきたい。
セルビア代表は長身揃い
GKはシュミット・ダニエルを推す。今回招集されたセルビア代表メンバー19名のうち、身長180cm以下なのはFWネマニャ・ヨビッチのみ(『transfermarkt』を参照)と、相手は“高さ”を一つの武器としている。その良さを消すために、やはり身長190cm超えを誇るシュミットを起用した方がいいだろう。セットプレー時などに頼もしい存在となってくれるはずだ。
右サイドバックは室屋成。同選手はミャンマー代表戦、そしてU-24日本代表戦で出番を得ていたが、攻守において決して悪くないパフォーマンスを披露していた。セルビア代表戦でも持ち味のアグレッシブなプレーを発揮し、右サイドの強度を高めてほしいところだ。
センターバックは植田直通。ビルドアップの質はそこまで高いとは言えないものの、これまでの試合で証明してきた通り対人守備の強さは光るものがある。長身の選手が揃うセルビア代表相手にも、そのパワフルなプレーを存分に発揮できるか見ていきたい。
その植田の相棒に推すのは谷口彰悟だ。U-24日本代表戦でスタメン起用された同選手は、ビルドアップ時にさすがのクオリティーを誇示。肝心の守備でも大きな問題を起こすことがなかった。攻撃の組み立て部分での貢献はもちろん、今回は欧州の屈強な相手を前に守備でどこまで安定感を維持できるか注目したいところだ。
左サイドバックはここまで小川諒也、佐々木翔も使われてきたが、いずれも周囲を満足させるようなパフォーマンスを示せず。34歳の長友佑都に頼らざるを得ない状態が続いている。セルビア代表との体格差が若干の不安要素だが、不動のベテランがライバル達を寄せ付けない存在感をここでも放つのか、注目だ。
大迫勇也不在の最前線は…
ダブルボランチの一角は橋本拳人だ。遠藤航不在の中、ロストフ所属のMFは対人守備で安定感を発揮するだけでなく、U-24日本代表戦とタジキスタン代表戦でゴールを決めるなど、攻撃面においても森保監督にアピールしている。今回のメンバー構成の中、スタメンに推さない理由はない。
その橋本の相方には守田英正を推す。バランスを取りながら攻守で効果的なプレーを見せる同選手は、今や森保ジャパンに欠かせない存在に。前回のタジキスタン代表戦は途中出場だったが、ワンタッチパスで良いリズムを刻むなど、短い時間でも確かな輝きを放っていた。セルビア代表戦でももちろん、期待値は大きい。
右サイドハーフは伊東純也でいいだろう。世界基準といっても過言ではない爆発的なスピードは、フィジカルに長けるセルビア代表相手にも十分通用するはずだ。前回のタジキスタン代表戦は出番なし。おおむね良い状態でロシアワールドカップ出場国との一戦を迎えられそうだ。
トップ下は鎌田大地で問題ないだろう。狭いエリアでボールを受ける動き、キープ力、そこから繰り出すラストパスのどれもが秀逸と、今や森保ジャパンの攻撃を加速させる上で欠かせないピースだ。今回も非凡なパフォーマンスを見せてくれるだろうか。
左サイドには原口元気を推す。前回のタジキスタン代表戦では一列後ろ佐々木とうまく連係がとれず、不完全燃焼となった。しかし、今回左SBに推すのは長友で、彼とならまず連係面で大きな不安をみせることはないだろう。そうすれば、原口の運動豊富な動きもより活きてくるはずだ。あとはボールを持った際、どれだけ怖さを示せるか。
そして最後は大迫勇也不在のワントップ。浅野拓磨、オナイウ阿道もいるが、経験値や連係面を考えてここでは南野拓実の起用を推す。屈強なDFが揃うセルビア代表を前に、柔軟な動きでどこまで攻撃を活性化させられるか。とくに、鎌田との縦関係には注目したいところである。
【了】