強度や精度はまだまだ足りない
しかしながら、このレベルでは最終予選では大きな困難に直面することになる。チーム全体がノッキングを起こしていた前半のような時間帯にミスを連発し、膠着状態が続けば、カタールや韓国、オーストラリアといった強敵には必ず失点してしまう。今回は南野が違いを見せてくれたからよかったが、彼も絶対的主力の1人。現時点でのサブメンバーがもっと個人能力を高め、勝負を決定づける仕事ができるようにならないと、分厚い戦いはできないのだ。
とりわけ、大迫に代わって1トップに起用されながら決定機を外しまくった浅野拓磨、推進力を出しきれなかった原口ら前回最終予選経験者たちはもっとできるはず。森保体制で何度も招集されている佐々木にしてもプレーの精度をより高めなければ、長友や吉田らの牙城を崩せない。代表経験の少ない国内組にしても、プレーの強度や精度がまだまだ足りない。この厳しい現実をしっかりと受け止め、残された11日のセルビア戦と15日のキルギス戦でベストを出し切り、生き残りを図ることが肝要だ。
東京五輪後には、A代表定着を狙うU-24世代が大量に加入してくる。競争がさらに激しくなることを絶対に忘れてほしくない。
(取材・文:元川悦子)
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