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Jリーグ 4年前

鹿島アントラーズ、上田綺世が見せた「新しい引き出しのゴール」。東京五輪エース候補の存在価値とは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

相馬直樹監督の後悔



 しかしながら、前半の鹿島は押し込まれ、自陣に引かされる。開始3分に荒木遼太郎が思い切ってシュートを放つが、それ以外は守備に忙殺される状況。チャンスらしいチャンスは土居聖真が飛び込んだ前半40分のシュートくらい。上田綺世にもほとんどボールが入らず、前線で孤立する形になった。失点は19分にレアンドロ・ダミアンに与えた1点のみだったが、それだけで終わったことがむしろ幸運と言っていいほどだった。

「攻撃でも守備でも前に重心を置きたかったが、マイボールになってもなかなか顔を出せない状況。選手に自信をもって入らせることができなかった」と相馬監督も悔やんだが、このまま終わるわけにはいかない。背番号18も自身を奮い立たせたに違いない。

 その鹿島は後半開始直後から高い位置を取り、敵陣に攻め込み始める。上田の最初のビッグチャンスは後半14分。土居がドリブルで持ち上がって出したスルーパスに反応し、チョン・ソンリョンと1対1になった場面だ。上田はGKをかわして無人のゴールにフィニッシュという形を目論んだが、百戦錬磨の相手守護神の方が一枚上手で、シュートを打つ前にキャッチされてしまった。

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