【写真:Getty Images】
日本代表は6月に控える4連戦に向けて合宿を続けている。30日のオンライン取材にはMF原口元気が登場した。
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ドイツでプレーしている原口は、今年3月の活動に参加できなかった。約半年ぶりとなる日本代表合流で、28日にはカタールワールドカップ・アジア2次予選のミャンマー代表戦に途中出場した。
2018年のロシアワールドカップでベルギー代表に敗れてベスト16敗退となった当時のこともよく知る原口は、「すごくいい雰囲気というか、右肩上がりに成長できている」と森保ジャパンの進歩を実感しているという。
カタールワールドカップのアジア2次予選は実力の劣る相手との対戦が多く「本当の部分の力試しはできていない」が、「1点取ってもすぐにプレッシャーをかけて2点目、3点目を取りにいくこと」など、やるべきことはできていると考えているようだ。
「最終予選を見据えても、僕たちが主導権を握る試合もが増えると思う。その中でどう相手を崩していくか、というバリエーションはすごく増えてきているなと思います」
原口の言う「バリエーション」の1つは、試合中のシステム変更にも見られる。ミャンマー戦は4-2-3-1でスタートし、後半途中から4-1-4-1に変化。試合状況に合わせた戦術オプションの拡大は徐々に進んでいる。
その中で新たな選手の台頭も進み、MF守田英正やMF鎌田大地といった海外で成長したメンバーがポジション争いで大きな存在感を見せている。特に2列目のMF南野拓実、鎌田を中心とした連係は日本代表の大きな武器になりつつある。
また、選手が入れ替わってもチームの組織が破綻せず機能するところも試合の中で示してきた。「どの選手も賢い。1人よがりにもプレーしなくても点を取る形をみんな持っていると思いますし、わざわざ強引に仕掛けなくても、どれだけうまくコンビネーションをとったら簡単に点が取れるかを全員が理解できていると思う」と、原口もアタッカー陣がチーム第一でプレーしながら持ち味を発揮できている現状に手応えを感じている。
この「チームの良さを出しながら、個人的な良さを出していく」のは森保一監督が選手たちに強調している重要テーマであり、「日本代表のの中で、1つのテーマなのかなと思っています」と原口は語った。
さらに「チームのためにできない選手はなかなか難しい時代になってきているんじゃないかと思います」とも述べる。
「3バックも含め、何個かオプションがあると相手に対して合わせられると思いますし、自分たちよりも強い相手に対して変化を加えられることは、きわどい試合になった時に大事なところと思います。そういう細かい部分で試合が決まることもこれから増えていくと思うので、やはりいろいろ使い分けて、いろいろな選手が出て、いろいろなバリエーションを増やしていきたいなと。個人的もそう思っているし、たぶん監督もそう思っていると思います」
原口が言うように、戦術的なバリエーションを増やしていくには、チームの求めるタスクを理解して常に柔軟かつ献身的に対応できる選手を揃えなければならない。そのうえで「23人とは言わなくとも、15人、17人くらいは常にスタメンを争えるチームでないと、やはり安定した結果を出していくのは難しい」という原口の言葉の通り、日本代表チーム内の競争力を上げていくことも重要だ。
「対応力を持ってやらないといけないと思うし、トップ・オブ・トップでもシステムを変えて戦うチームもある。マンチェスター・シティもよく戦い方を変えますし。対応力のある選手は生き残っていけるし、僕もその1人でありたいと思うし、いろいろなポジションができるのは僕の強み。それを代表でも活かせる場面がたくさんあるんじゃないかと思います」
原口の突破力やユーティリティ性、そして献身性は日本代表にとって変わらず重要なもの。ウニオン・ベルリンへ移籍し、来季からブンデスリーガ1部に再挑戦することが決まった30歳のさらなる活躍を期待したい。
(取材・文:舩木渉)
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