マンCが抱えていた問題
シティの問題は明確だった。幅を取るのはウイングのラヒーム・スターリングとリヤド・マフレズ。ベルナルド・シウバはギュンドアンのサポート的な位置取りで、デ・ブライネとフォーデンはライン間でボールを引き出そうとした。
スターリングとマフレズは足下でボールを受けようとする場面が多かった。フォーデンとデ・ブライネもライン間で受けようとするので、深さを取れる選手がいなかったのが停滞の原因だった。
前半はスターリングが1対1の局面でドリブルを仕掛ける場面があったが、それも徐々にリース・ジェームズに対応されていく。データサイト『WhoScored』によれば、リース・ジェームズはこの試合でトップとなる7度のタックルを記録している。
普段のシティであれば、流動的にポジションチェンジを繰り返す。フォーデンがタッチライン際まで開けば、スターリングがインサイドに走りこむ。役割を入れ替えることで、相手の守備陣をかく乱していくのが常套手段だったはずである。
しかし、そういった場面はほとんど見られなかった。チェルシーの5バックは、目の前の選手に前を向かせないようにすればいい。DFラインに穴をあけても、他の4人がペナルティエリア幅を守っているので、DFラインを捨てても大丈夫。チェルシーにとってはそこまで難しい対応ではなかった。
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