「取れるだけ点数を取りたいと思っていた」
とはいえ、彼らが代表から去った今、「自分が引っ張らなければいけばいい」という自覚は強まる一方だ。それを名実とも実行するためにも数字がほしかったのは事実だろう。「試合前から取れるだけ点数を取りたいと思っていた。ホントに積み重ねるしかないですね」とミャンマー戦後にも偽らざる本音を口にしていた。今季無得点の絶対的FWがヘディングに左右両足、PKと多彩なバリエーションで得点感覚を取り戻したのは大きい。この調子で最終予選、カタールワールドカップ本番へと突き抜けていくことが肝要だ。
「ここから先、セルビア、ジャマイカといういい相手と試合できるので、底上げができるチャンス。でも大事なのは今じゃない。本当にワールドカップで僕らが強豪と戦うことができるかどうか。世界相手に勝ち切れるようにしていかないといけないと思います」
本人も今シリーズを戦うに当たって気持ちを引き締めていたが、彼自身がもう一段階、二段階飛躍しなければ、ワールドカップ8強の壁を超えることはできない。その自覚を内容と結果の両方で示し続けることを大迫勇也には改めて強く求めたい。
(取材・文:元川悦子)
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