【写真:Getty Images】
日本代表は28日、カタールワールドカップのアジア2次予選でミャンマー代表に10-0の大勝を収めた。
【今シーズンの欧州サッカーはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】
対戦相手のミャンマーはFIFAランキング上では格下ながら、あまりに情報が少なかった。日本代表が2-0で勝利した2019年9月当時とは監督が違い、同年11月を最後に代表戦を行なっておらず。
前回の日本戦に登録されていたメンバーも約3分の2が不在で、どんな戦い方をしてくるか未知数な部分は大きかった。
事前にしっかり傾向と対策を分析しきれておらずとも、日本代表はピッチ内での対応力を発揮して相手の弱点を攻略。開始8分に先制点を奪うまでにミャンマーの布陣に急所を見出し、ゴールで見事にあぶり出した。
日本の4-2-3-1に対し、ミャンマーは中盤の形が噛み合う4-1-4-1の布陣で対抗してきた。しかし、逆三角形になるミャンマーの中盤はインサイドハーフの2人が目の前の相手に食いつく傾向があり、その背後のアンカー脇に大きなスペースができてしまっていた。
それを見逃さなかった日本の選手たちは、どんどんアンカー脇のスペースに入ってディフェンスラインからの縦パスを引き出す。トップ下のMF鎌田大地を筆頭にFW大迫勇也やMF南野拓実、MF伊東純也といった前線の選手たちが積極的に攻撃の起点となっていった。
先制点を奪った南野は「スカウティングはしていましたけど、ミャンマーが(他の)対戦国と戦う時と、僕らと戦う時では、正直戦い方とかが変わってくるというのがあったので、試合の中でそこを自分たちで考えながら動かなきゃいけないなと思ってやっていました」と語る。
8分のゴールは鎌田が相手アンカー脇のスペースでディフェンスラインからの縦パスを受け、南野との流れるようなコンビプレーによって生み出された。
「センターバックから(鎌田)大地とか僕が、その(アンカー脇の)スペースで前を向いたり、うまくいい距離感で崩していける時はチャンスになると前半から感じていましたし、そのうえでサイドを使っていければ、厚みのある攻撃ができるのは中でみんなで話していた。(ピッチの)中で考えながら、みんなで共通意識を持ってやっていました」
選手たちは試合が始まるとピッチ内で相手の弱点となる箇所を見つけ、互いにすり合わせ、共通認識を持ったうえでプレーしていた。ミャンマー戦では開始してすぐにピッチ内で全員の意識が共有され、その対応力が大量10得点につながったようだ。
森保一監督も「相手が特に守備を固めてきた中、そういう戦いでもどうやって相手を崩していくのかの部分で、選手たちは積極的に自分たちで感覚をつかみながらトライしてくれたと思います。これからの自分たちの攻撃力が上がったということにで、将来的につながっていけばいいのかと思っていました」と、選手たちの臨機応変さに手応えを感じている。
14得点を奪えたモンゴル代表は、10点大勝となったミャンマー戦で、このような対応力や適応力を発揮できるのは証明できた。6月シリーズの4連戦では、相手のレベルがさらに上がった試合で本当の実力が試される。セルビア代表やジャマイカ代表は、ミャンマーほど簡単に隙を見せてはくれない。
(取材・文:舩木渉)
【了】