浦和レッズの新たな7番は本物だ
4月末に浦和入団を発表したユンカーは、自身のプレーについて次のように語っていた。「自分の強みはスピードとペナルティーエリア内でのポジショニングだと思います。また、左足でのシュートは得意だと思っています。そして自分でゴールを取るだけではなく、他の選手へのアシストもできるので、ゴールを取りながら、アシストもしてチームに貢献したいと思っています」
「今が理想的な年齢だと思います。ストライカーとしてもピークを迎えていると思いますが、これからもまだまだ成長していけると思います。これからもステップアップしながらパフォーマンスを上げていくことができると思いますし、ここで長くプレーしたいと思っています。サッカーは自分にとって人生そのものですので、長い期間続けたいと思います」
そのプレーへの情熱はヴィッセル戦でも確かに感じ取れた。相手センターバック陣がボールを持った際にはトーマス・フェルマーレンや菊池流帆に対して執拗に距離を詰め、チームメートたちが攻撃のサポートへ駆け上がることを促し、深く引いた位置からもチャンスを作り出そうとしていた。
実際に、彼自身が得点者となったチャンスも中盤でのそういったプレーを起点として生まれたものだった。ハーフウェイより30ヤード(約27.4m)は手前の自陣内でボールを拾ったユンカーは、アユブ・マシカの股を抜いたあと前方のスペースへ駆け出し、守備ラインの裏への浮き球のパスで小泉佳穂を走らせた。このパスは長すぎたが、神戸はボールを奪ったあとの対応が乱れ、軽率なCKを与えてしまう。そのCKからのボールもしっかりとクリアしきれず、最終的にユンカーの左足でゴールに叩き込まれる結果となった。
いつもそれほど容易にゴールを決めさせてもらえるとは限らないかもしれない。だが確実にチャンスを生み出したプレーは、レッズの新たな7番が本物であることをJ1の他チームに改めて印象づけるものだった。
(取材・文:ショーン・キャロル)
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