【写真:Getty Images】
日本サッカー協会(JFA)は20日、今月下旬から約3週間にわたって合宿を行う日本代表の招集メンバーを発表した。
【今シーズンの欧州サッカーはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】
しかし、欧州組のみで挑む5月28日のカタールワールドカップ・アジア2次予選のミャンマー代表戦に向けたメンバーにも、その後の4試合を戦う国内組も含めたメンバーの中にも、MF柴崎岳の名前はなかった。
森保ジャパンでは常に主軸を担い、昨年10月と11月の欧州遠征でも4試合全てに先発出場。森保一監督から絶大な信頼を寄せられる司令塔として君臨してきたが、今年3月に続いて2連続の日本代表招集外となった。
一体なぜだろうか。
大きな理由として考えられるのは所属クラブの置かれた状況だ。柴崎が所属するレガネスはスペイン2部リーグを戦っている。同リーグは22クラブで構成され、現在は42試合制のレギュラーシーズンを2試合残した状態だ。
国際Aマッチウィーク期間中は基本的に各国のトップリーグが中断される(もしくは閉幕後・開幕前)が、2部リーグも中断する国は少ない。スペインも2部リーグは代表チームの活動期間中も公式戦を開催している。
また42試合という長丁場なこともあり、閉幕が他国リーグに比べて遅い。今季でいえば、柴崎がレガネスでラ・リーガ2部最終節を戦うのは現地5月30日の予定になっている。5月28日のミャンマー代表戦よりも後にレギュラーシーズンが閉幕するということだ。
加えて現在3位のレガネスは、1部への昇格プレーオフ進出が濃厚になっている。すでに自動昇格枠の1位と2位はエスパニョールとマジョルカで確定しており、残る1つの昇格枠を3位から6位までが参戦するプレーオフで争うのがスペイン2部リーグの特徴だ。
もし1部昇格プレーオフに進出すれば、日本代表合宿と同時期の6月上旬に準決勝の1stレグと2ndレグを戦うことになる。現状の日程では現地6月2日か3日に1stレグ、同5日か6日に2ndレグが組まれている。
さらにプレーオフ決勝へ進むと、現地6月13日の1stレグと同20日の2ndレグもある。レガネスにとってはチームの中心選手である柴崎を、シーズン最終盤の超重要局面で手放すわけにはいかない。
もし日本代表合宿に初日から合流するとなれば、レギュラーシーズンのラスト2試合を欠場することに。さらに1部昇格プレーオフの大半あるいは全試合でも柴崎を欠いて戦うことになり、チームにとって大きな痛手となってしまう。
柴崎は現地19日に行われたラ・リーガ2部第40節のミランデス戦に先発出場したが、後半開始直後に右太ももを痛めて50分にMFルベン・パルドと交代を余儀なくされた。
この負傷が代表招集に影響した可能性もあるが、いずれにせよ来季の1部昇格がかかる状況でレガネスにとって欠くことのできないキーマンの1人であることに変わりはない。一時的に出場機会を失っていた今年3月とは置かれた状況が全く違う。
柴崎はピッチに立てば質の高いパフォーマンスを継続しており、今回の日本代表の招集メンバーを選考する段階ではシーズン終盤のクラブ事情を考慮されたと見てよさそうだ。
【了】