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Jリーグ史上初の女性主審が誕生! 山下良美氏「女性審判が男性の試合を担当するのを当たり前にしたい」

text by 編集部 photo by JFA

山下良美
【写真提供:日本サッカー協会(JFA)】

 Jリーグ史上初めて女性として主審を務めた山下良美氏が、17日にオンライン会見で自身の担当したJ3第8節のYSCC横浜対テゲバジャーロ宮崎を振り返った。

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 山下氏は毅然とした態度を貫き、試合も荒れることなく終了。警告も開始10分で宮崎のGK植田峻佑に提示した1枚のみで、スムーズかつ的確なレフェリングが光った。「両チームの選手ともプレーに集中していて、私自身にストレスが溜まるようなシーンもなかったですし、とてもフェアにプレーしてくれていたと思います」と山下氏自身も手応えを感じたようだった。

 1986年生まれで東京都出身の山下氏は、東京学芸大学卒業後に本格的な審判活動をスタート。2012年に女子1級審判員のライセンスを取得し、なでしこリーグなどを中心に活躍してきた。

 2015年からは国際審判員にも登録され、数々の国際大会でも笛を吹いている。そして2019年に男子トップリーグの担当も可能になる1級審判員の資格を取得すると、JFLなどでの経験も積み、2021年からJリーグの審判員リストにも名を連ねることとなった。

 去る16日に行われたYS横浜対宮崎でのレフェリングは、日本サッカー界の歴史を塗り替えた偉業であり、Jリーグでも女性審判員の存在を当たり前にしていくための重要な一歩だ。

「今まで先輩方が築いてきた道をつないでいく役目もありますし、この機会を得るにあたってJFAの方々であったり、Jリーグの方々、もちろんチームの方々の理解、選手の理解、見ている方々の理解もありますし、同じ仲間のレフェリーが全国いろいろなところで積み上げてきている信頼もあります。そういうものを背負って、この試合を担わなければいけないという責任は重く感じていました」

 山下氏は自らがJリーグの舞台に立ったことの重みを感じつつ、「女性でも男性でも、審判員というものに少しでも注目していただける、いままで審判員に全く目の向かなかった人たちに、少しでも目に留まってくれたらすごくうれしい」と述べた。

 東京五輪の女子サッカー競技でも審判員リスト入りしている山下氏は、そういった国際大会や女子サッカーリーグのみならず、今後もJリーグで笛を吹く可能性がある。

 女性審判員の先頭に立って道を切り開いていく立場となり、将来に向けて「女性審判員が男性の試合を担当するのが当たり前になっていくのが目標です。私にできるのは目の前の試合に全力で取り組むことだと思います」と力強い決意も述べた。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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