【横浜F・マリノス 5-2 浦和レッズ Jエリートリーグ第2節】
現役日本代表も起用した実力者揃いの相手に、高校生主体の急造チームが躍動した。
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Jエリートリーグの第2節が10日に行われ、横浜F・マリノスは浦和レッズに5-2で大勝。開幕戦の名古屋グランパス戦に続く連勝を飾った。
マリノスはトップチーム所属選手を3人起用したが、GK田川知樹、DF平井駿助、FW樺山諒乃介はいずれも今季の高卒ルーキー。対する浦和は現役日本代表のGK西川周作やU-24日本代表候補のMF金子大毅、今季新加入の田中達也、オーストラリア代表DFトーマス・デンなど、トップチーム所属選手がスタメンの半数以上を占めていた。
しかし、先制したのはマリノスだ。開始5分、コーナーキックから関東学院大学所属のFW村上悠緋がゴールネットを揺らした。Jリーグで実績のある選手たち相手にも堂々としたプレーで主導権を握りにいったマリノスは前半のうちにさらにリードを広げる。
40分、樺山が左サイドから仕掛けてカットインして右足を振り抜くと、鋭くカーブのかかったボールは日本代表GK西川周作の手をかすめてゴールの中へ。前半終了間際にはマリノスにPKのチャンスが訪れるも、このピンチは西川がセーブして3失点目を回避。前半はマリノスの2点リードで終了した。
西川がハーフタイムで交代したレッズは、後半開始早々にも失点。鮮やかな崩しから、後半に投入されたマリノスユースのMF松村晃助が得点を挙げ、3-0に。意地を見せるレッズは55分に田中、62分にMF武田英寿がともにGKと1対1のチャンスを決めて1点差に迫る。
しかし、終盤になってもギアが落ちなかったマリノスは77分と85分に村上がゴールを奪ってハットトリック達成。最終スコアは5-2となり、マリノスの勝利で試合終了となった。
日本代表GK西川から見事なミドルシュートを決めた樺山は試合後、「あそこのエリアで自分が前を向いた時は自信を持っているエリアなので、もらった時に決められる自信があったので、自分のタイミングでシュートを打つだけでした」と得点シーンを振り返った。
そして「試合前から田川とかに、『西川選手から点を取ってくる』と言っていたので、ホンマに取れたのでよかったです。自分の自信にもつながる」と手応えも口にしていた。
実戦の機会が極めて限られているGK田川も、エリートリーグを通じて貴重な経験を積んでいる。浦和戦後には「やっぱり試合の数が少ないので、こういうところをしっかりチャンスと捉えて、90分しっかりやりきるということは試合前から大事にしていましたし、やりきれたのはよかったです」とポジティブだった。
図らずも実現した偉大な先輩・西川との対戦も「誰が見てもすごい選手ということはやる前からわかっていて、相手ですけど学べることは学ぼうという思いだった。やっぱりキックとかが本当にうまくて、すごくいい刺激になったと思いますし、(試合前に挨拶した時も)すごくやさしくて、すごい選手だと思いました」と楽しめたようだ。
センターバックとして先発出場した平井も「試合前から浦和のメンバーを見て、『ヤバいな』と思ったんですけど、とりあえずキックオフしてから試合に慣れて、『自分は落ち着いたらやれるな』という手応えを感じました。こういうところでアピールするのもそうですし、練習からひたむきにやっていればチャンスは来ると思っているので、ひたむきに頑張りたいです」と、日々の成長を実戦の中で確かめることができたようだ。
樺山は「エリートリーグでもJリーグでも、どんな試合でも勝つことと、自分がチームのために活躍することを意識してやっている中、トップチームで最近はなかなか試合に出られているのは課題が多いからだと思っているので、体力的な課題とか守備の課題をエリートリーグでも1つひとつ(潰して)成長していければいいと思います」と今後への意気込みを述べた。
マリノスは開幕2連勝で好スタートを切った。エリートリーグはトップチーム所属の高卒ルーキーのみならず、ユース所属選手たちにとって今後も貴重な経験の場になるに違いない。
【得点者】
5分 1-0 村上悠緋(横浜FM ※練習生)
41分 2-0 樺山諒乃介(横浜FM)
50分 3-0 松村晃助(横浜FM)
55分 3-1 田中達也(浦和)
62分 3-2 武田英寿(浦和)
77分 4-2 村上悠緋(横浜FM ※練習生)
82分 5-2 村上悠緋(横浜FM ※練習生)
(取材・文:舩木渉)
【了】