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浅野拓磨、FIFAが契約違反認めれば2年間出場停止も? クラブ側の主張は…

text by 編集部 photo by Getty Images

浅野拓磨
【写真:Getty Images】

 セルビア1部のパルチザン・ベオグラードに所属していた日本代表FW浅野拓磨が2日に突然の退団を表明し、大きな衝撃を引き起こした。セルビアメディア『Mozzart Sport』はパルチザンの関係者に話を聞いたとして、クラブ側の主張を伝えている。

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 今季パルチザンのチーム得点王として活躍していた浅野だが、シーズン終了を待たずに退団することを自身の公式ブログやSNSで発表。クラブから度重なる給与未払いがあったこと、それに関してクラブ側から「不誠実な対応」が取られたことを契約解除の理由として説明している。

 これに対し、クラブも公式声明で反論。浅野側の主張は「事実無根で脅迫的」であるとして、一方的な契約解除であるとみなして法的措置を取るとともに、国際サッカー連盟(FIFA)に訴え出る姿勢を示している。

 パルチザンでの浅野の年俸は約60万ユーロ(約7880万円)であったとされている。セルビアメディアが伝えるクラブ側の主張によれば、パルチザンは今年の年明け以降に遅延分も含めて24万ユーロ(約3150万円)を浅野に支払ったとのこと。3万5000ユーロ(約460万円)が昨年以来未払いであることは認めているが、契約解除の条件としてFIFAの定める3ヶ月分の遅延にはあたらないと主張しているという。

 浅野側の主張する未払い金には、昨季のヨーロッパリーグの成績と今季の15得点達成により発生した各3万ユーロ(約394万円)のボーナスも含まれる可能性があるとパルチザンは考えているようだ。この2つのボーナスは未払いだが、得点数に関するボーナスはシーズン終了後に支払うものであり、またいずれにしてもボーナスの未払いは給与遅延にあたらないというのがクラブの見解だとされている。

 他にもパルチザンと浅野の間で不和の原因となった可能性のある事項が伝えられている。浅野側はクラブに住居費の支払いを要求したとされているが、クラブは応じず。また、パルチザンは浅野をUAEのクラブへ移籍させることを望んだが、西欧でのプレーを希望する浅野がこれを拒否したとされている。

 法的措置を取ることを表明したパルチザンは、これまでに移籍金や給与として浅野に行った投資を回収するため300万ユーロ(約3億9400万円)前後の賠償金を要求する意向だという。だが法廷で結論が下されるまでには「約2年を要する」とも予想されている。

 浅野の今後の移籍先も注目されるところだが、パルチザンは浅野が「他クラブとすでに合意」し、「(浅野を)最も有利な条件で獲得したい第三者の影響」によって今回の事態が引き起こされた可能性があるとも疑っているとセルビアメディアは伝えている。もし浅野側の契約違反がFIFAに認定された場合、処分として「2年間の出場停止」もあり得るとされている。

【了】

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