度重なる負傷で後退し続けるキャリア
【写真:Getty Images】
ヤン・キルヒホフ(ドイツ)
生年月日:1990年10月1日
現所属クラブ:KFCユルディンゲン05(ドイツ3部)
フランクフルトの下部組織育ちで、マインツで台頭した長身センターバックは2013年夏に絶対王者バイエルン・ミュンヘンに引き抜かれる。だが、この移籍が転落の始まりだった。
新天地でほとんど出番を得られなかったキルヒホフは、2013年末から1年半の期限付き移籍でシャルケに貸し出される。すると年明けに足首のじん帯を負傷して約4ヶ月の離脱を強いられ、復帰して迎えた2014/15シーズンの合宿初日にも足首を痛めてプレシーズンを棒に振る約1ヶ月の離脱となった。
ここから負傷との終わりなき戦いが始まった。2014/15シーズン後半戦にはアキレス腱を痛めて、それ以降のリーグ戦出場がないままバイエルンに復帰。結局シャルケで過ごした1年半でピッチに立ったリーグ戦はわずかに16試合にとどまった。
バイエルンに戻っても、当然ながら居場所はなく2015/16シーズン後半戦にプレミアリーグのサンダーランドへ1年半契約で移籍する。イングランドでは守備的MFとして起用され、最初の半年は残留争い中のチームを懸命に支えた。
ところが迎えた2016/17シーズンは、またしても負傷との戦いだった。前半戦にハムストリングを2度痛めて計2ヶ月ほど離脱し、2016年末に外側即副じん帯を断裂してシーズン終了。そのまま契約満了となってサンダーランドを退団した。
無所属になって半年、負傷も癒えたキルヒホフは心機一転イングランド2部のボルトンと短期契約を結ぶが、度重なる負傷で蓄積されたダメージの影響かパフォーマンスが上がらず。2018年夏に再びフリーとなり、ドイツ2部の1.FCマグデブルクと契約するまで半年間職場が見つからなかった。
ドイツに戻っても負傷癖は克服できず、筋肉系の負傷で短期間の離脱を繰り返し、結局リーグ戦は10試合の出場にとどまった。マグデブルクを退団した今季はさらにカテゴリを下げてドイツ3部のユルディンゲンに所属している。トップレベルに上り詰めることができた才能と、失ってしまった時間を取り戻すことはできなかった。