不屈のキャプテン
【写真:Getty Images】
MF:ジョーダン・ヘンダーソン
生年月日:1990年6月17日
移籍金:1800万ユーロ(約22億円)
在籍期間:11年夏~
リーグ戦成績:290試合27得点40アシスト
リバプール在籍が長いため同クラブ一筋といった印象が強いが、もともとはサンダーランドで育った選手。レッズの一員となったのは2011年で、移籍金は1800万ユーロ(約22億円)となっている。
ジョーダン・ヘンダーソンのキャリアは決して最初から輝いていたわけではない。2012年に就任したブレンダン・ロジャース監督の下では当初、事実上の戦力外扱いだった。実際、英『talk SPORT』には「ロジャース監督はヘンダーソンの才能を意識しておらず、監督就任直後には売却を望んでいた」と書かれている。さらに「フラムのクリント・デンプシーとのトレードが成立寸前まで進んだ」と伝えられているが、最終的にはヘンダーソン本人が残留を望んだため不成立になったという。
そのような状況でもヘンダーソンは腐らず努力を重ね、徐々にリバプールで存在感を示すように。そして2015年、偉大なる先輩スティーブン・ジェラードから腕章を受け継ぐなど、クラブを代表する選手となった。
リバプールはしばらくビッグタイトルとは無縁で、苦しい時期も味わっている。その中でもヘンダーソンは味方を鼓舞し続け、チームを牽引した。そんな同選手の努力が報われたのか、ユルゲン・クロップ監督に率いられたチームは近年急激に力をつけ、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ(CL)、FIFAクラブワールドカップなどを制覇。一時事実上の戦力外を通告されたヘンダーソンは、自らの手でトロフィーを天に掲げることができた。
苦しい時期を経験したヘンダーソンだからこそ、リバプールという歴史あるクラブのリーダーを担うことができる。もし同選手が主将でなかった場合、同クラブはここまでの強さを手に入れることはできなかったかもしれない。クラブの新たな時代をリーダーとして築いてくれたという意味で、やはりリバプールにとって最高の補強になったと言えるはずだ。
【了】