病魔に打ち克った「大きな心の持ち主」
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【写真:Getty Images】
DF:エリック・アビダル
生年月日:1979年9月11日(41歳)
移籍金:1500万ユーロ(約18億円)
在籍期間:2007年夏~13年夏
リーグ戦成績:125試合0得点5アシスト
華やかなフットボールで世界を席巻したバルセロナの中で、エリック・アビダルの地味な貢献が光っていた。07年夏にオリンピック・リヨンから加入すると、ペップ・グアルディオラ監督が就任した08/09シーズンの3冠(UEFAチャンピオンズリーグ、ラ・リーガ、スペイン国王杯)獲得に貢献。右サイドバックのダニエウ・アウベスとは対照的に、守備力の高さがバルセロナを支えていた。アウベスが「誰よりも大きな心の持ち主だった」とアビダルの現役引退時にコメントを寄せたように、献身性が光るDFだった。
2011年3月には肝臓に腫瘍が見つかり、摘出手術を受けている。復帰までは5か月を要すると言われていたが、1か月半後のUEFAチャンピオンズリーグ準決勝で復帰し、5月28日の決勝では先発出場した。フル出場したアビダルは2年ぶりの大会制覇に貢献し、主将カルレス・プジョルの計らいによりアビダルは表彰台でビッグイヤー(トロフィー)を掲げる大役を任されている。
翌シーズンも変わらぬパフォーマンスを見せたが、ちょうど1年後に病は再発する。移植手術からの復帰には1年以上を要したが、不屈の闘志でカンプノウに帰還し、夏にはフランス代表復帰を果たした。そのシーズンを最後にバルセロナを離れ、モナコとオリンピアコスでプレーして現役を引退。その後はバルセロナのスポーツダイレクターを務めたが、昨夏にクラブを離れている。