【写真:Getty Images】
パナマ女子代表は11日、国際親善試合でなでしこジャパン(サッカー日本女子代表)に0-7という大敗を喫した。
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会場となった国立競技場は、東京五輪の女子サッカー決勝が行われるスタジアムとなっている。また、今回の日本対パナマが、「新国立」が開場してから初めて行われる「代表戦」だった。
パナマ女子代表を率いるイグナシオ・キンタナ監督は、日本戦前日の記者会見で「東京五輪決勝のスタジアムで、選手たちのモチベーションは上がっている」と明かし、「明日の試合でも非常に特別な気持ちで戦い、許されるのであれば勝利も狙っていきたい」と語っていた。
しかし、結果は0-7の大敗。キンタナ監督は試合後に「日本代表というのは、我々にとって遠く離れた存在であり、手本、また指標になるようなチームだ」と力の差を認め、落胆を隠さなかった。
それでも国立競技場で試合ができたことに対し「特別なイベントにご招待いただいたことを、本当に光栄に思っている」と感謝。東京五輪のために新設された施設の数々には感銘を受けたようだ。
「全ての面において本当に素晴らしいスタジアムだと感じた。昨日、すでにピッチの確認には訪れていたが、選手たちも施設や芝生の状態、スタンド、そういったものに非常に衝撃を受けていた。信じられないような素晴らしい施設だと思う。日本代表というチームそうだが、このスタジアムもぜひお手本として、中米でも何か取り入れられればと思っている」
なでしこジャパンを率いる高倉麻子監督もパナマ戦前日に「初めて入ったんですけど、すごく素敵なスタジアムだなと思って、だいぶ盛り上がりました。デザインも素敵でしたし、芝もきれいで、ある選手に聞いたら今までで一番のきれいさだと言っていました」と話していた。
「選手の時に国立でやれることになれば、本当に嬉しかったですし、すごく発奮したというか、『やってやる』という強い気持ちが湧いてきました。新しいグラウンドに入って、全く違うものができているので、中の雰囲気も違い、ロッカーも変わっていました。新しいスタジアムということで、国立競技場という概念が、私たちが持っている古き良きスタジアムとは違いますが、ここからいろいろな歴史が生まれていくんだろうと思いましたし、今いる選手たちがここを『聖地』にしていくんだろうなと思いました」
高倉監督は「なでしこジャパンが一番に国立競技場で試合ができるのは名誉なことだと思いますし、先頭をきってやるからには恥ずかしい試合はできない」と語っており、その言葉通りパナマ戦は7-0の快勝を収めることができた。
選手たちも東京五輪の決勝でプレーする際のイメージが湧いたに違いない。なでしこジャパンのFW菅澤優衣香も「改めてピッチに立ったときに、五輪の決勝の舞台に立ちたいとすごく思いました」と、パナマ戦を通してモチベーションを高めているようだった。
なでしこジャパンの10番を任されているFW籾木結花も「圧倒的なスタジアムを目の前にして、これがオリンピックの決勝の舞台なんだと思うと、ピッチに立てるのは幸せなこと」と襟を正す。
そのうえで籾木は「自分たちはこの1回の喜びに浸るのではなく、東京五輪の決勝で戻ってくる目標を忘れず、このスタジアムの高揚感、湧いてくる感情を忘れずに戻ってきたい」と決意を語っている。
絶賛の声が相次ぐ新しい国立競技場を本当の意味でサッカーの「聖地」にしていくためには、なでしこジャパンの力が必要だ。
(取材・文:舩木渉)
【了】