日本代表は30日、カタールワールドカップ・アジア2次予選の試合でモンゴル代表と対戦し、14-0のスコアで勝利を飾った。日本代表はこれで5戦全勝とし、2次予選突破に王手をかけている。
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2次予選は8つのグループに5チームずつが分けられ、ホーム&アウェイ方式の総当たり方式で順位を争う。各グループの1位と、グループ2位の8チーム中、成績上位の4チームの計12チームが最終予選に進む。
アジアサッカー連盟(AFC)加盟国は46の国と地域。1次予選にはFIFAランキング下位の12チームが参加し、6チームが2次予選に進んだ。つまり、46チーム中40チームが2次予選から参加している。しかし、この予選方式が大きな問題となっている。
AFCに加盟する大半のチームが参加することで、グループ内には格差が生まれる。グループFにはアジア最上位の日本代表(27位)とモンゴル(190位)が、グループHでは韓国代表(38位)とスリランカ代表(206位)が同居している。FIFAランキングは過去の成績の指標に過ぎず、正確な強さを表していないが、実力の差は火を見るよりも明らかだ。
実際に、韓国代表はスリランカ代表を8-0で下しており、カンボジア代表(173位)はイラン代表(29位)に0-14というスコアで敗れている。すべての試合でこのような点差がつくわけではないが、5点差以上となるのは日常茶飯事となっている。
このフォーマットは、欧州も同じだ。欧州1次予選には55チームが参加。そこには、ベルギー(1位)、フランス(2位)といった強豪国から、ジブラルタル(195位)、サン・マリノ(210位)といったチームも参加している。
3月のインターナショナルマッチウィークでは、デンマーク代表(12位)がモルドバ代表(177位)を8-0で撃破。オランダ代表(14位)はジブラルタル代表を7-0のスコアで破っている。
実力差があまりにもある相手との試合がどうなるかは、30日の日本代表対モンゴル代表の試合を見ればわかるだろう。果たして、両チームにとってこの試合にどんな意味があったのだろうか。モンゴルの選手たちにとって“いい経験”になったのかもしれないが、あまりにもレベルが違いすぎて、この試合が具体的に彼らの今後に役に立つのかは分からない。
格上のチームにとって、この期間は貴重な強化の時間だ。公式戦であることを考えると、大幅にメンバーを落とすという決断を下すのも難しい。万が一、勝てなかった場合のリスクが高すぎるからだ。
結果的にベストに近い布陣で臨むことになるが、主力選手の疲労は溜まる。勝った格上のチームとしても、収穫を持って帰るのは難しい。0-14というスコアで終わった試合で、幸せになった人は1人もいない。
もちろん、非難すべきは予選フォーマットであって、選手たちではない。モンゴルの選手たちは、失点を重ねてもラフプレーに走ったり、投げやりな態度を取ることもなかった。集中を切らさなかった両チームの振舞いには、むしろリスペクトしなければならない。
両チームの選手たちは、この試合に臨むために多くの検査をこなしてきた。その過程では多くの関係者の尽力があったに違いない。だからこそこのような機会で、いい試合が見られなかったことが残念でならない。
【了】