【写真:Getty Images】
2022年カタールワールドカップ欧州予選のセルビア代表対ポルトガル代表戦では、FWクリスティアーノ・ロナウドによる終了間際の決定的チャンスがノーゴールと判定されたことが大きな騒動を引き起こした。判定自体に加えて、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)やGLT(ゴールラインテクノロジー)がこの試合で用いられていなかったことにも注目が集まっている。
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C・ロナウドは2-2の同点で迎えた後半アディショナルタイムに無人のゴールへのシュートを放ち、それをセルビアのDFステファン・ミトロビッチがスライディングでクリア。ボールはクリアされる前にゴールラインを越えていたようにも見えたが、得点は認められなかった。
VARもゴールラインテクノロジーも使われていなかったため、判定材料となったのは主審と副審の目視のみ。いまや各国リーグや国際試合で当たり前のように使用されるようになったテクノロジーがワールドカップ欧州予選という重要な試合で使われていないという事実は、各国メディアやファンにも驚きを込めて受け止められている。
今回はボールがラインを越えたかどうかという単純な部分が争点であり、正確な映像で判断が行われれば誤審の余地はほとんどない。ゴールであれノーゴールであれ、誰もが納得する判定となっていた可能性は高いだろう。
国際サッカー連盟(FIFA)の2022年ワールドカップ予選レギュレーションによれば、VARやGLTについては各大陸連盟との合意により「使用できる」とされている。使用が義務付けられてはおらず、欧州サッカー連盟(UEFA)は使用しないという判断を下したようだ。
もともとUEFAは、VARの導入に対して比較的慎重な対応を取ってきた。直近のEURO2020予選やUEFAネーションズリーグでも、予選グループではVARが使用されず、プレーオフ以降の試合でのみ使用されていた。
スペイン紙『スポルト』が予選開始前に伝えていたところによれば、UEFAは今回のワールドカップ予選でVARの導入を検討していたが、同日・同時刻に多くの試合が開催される状況で十分な人員を手配できないという理由から導入を見送ったようだ。前述のレギュレーションでは、VARを使用する場合には「FIFAの認定を受けたビデオ審判員を選択しなければならない」とも定められている。
【了】