【写真:Getty Images】
日本代表は25日、国際親善試合で韓国代表に3-0の快勝を収めた。
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韓国にほとんどチャンスを作らせなかった守備陣は、完封で試合を終えた。その中で気になっていたのは、GK権田修一のプレーだ。
相手のチャンスは主にセットプレーだったが、権田は自分の守備範囲にボールがくるとパンチングで処理することが多かった。キャッチできそうな場面でもあえてパンチングを選択しているように見えた。
試合から一夜明けた26日にオンラインで取材に応じた権田に、パンチング多用の意図について尋ねると、自身のプレーに対し「個人的には納得のいっていないところの方が多いです」と明かした。
では、なぜ積極的にキャッチにいかず、あえてパンチングを選んでいたのだろうか。
「韓国はキッカーの選手(イ・ガンイン)が左利きでいいボールを蹴ってくるのはわかっていました。彼がミスキックをするというよりは、いいボールを上げて、そこに勢いをもって割と大柄な2人のボランチと2人のセンターバックが入ってくるイメージは持っていたので、キャッチにいって、そこで(相手と)ぶつかった時に…というのを少し回避しようと、試合前は少し思っていました」
確かに少々無理にキャッチへいこうとして相手や味方と接触し、ボールをこぼしてしまったら、それこそ一大事。接触の危険を感じる状況で、できるだけ失点のリスクを減らそうとするならパンチングを優先的に選択する考え方は理にかなっている。
実際、パンチングの選択がうまくいったように見えた場面もあった。2点リードで迎えた前半アディショナルタイムの46分、韓国のコーナーキックの場面で、イ・ガンインの蹴ったボールが日本の左サイドから内巻きでゴールへ向かってくるのに対し、権田は素早く飛び出してパンチング。弾いたボールを、人の少ない右サイドに飛び出した味方へつなげた。
「当然パンチングを選択した時に、味方につながるようなところにパンチングするのは個人的には意識しています」
まさにこの「意識」で逆サイドのスペースを認識した上で、正確にボールを弾いた。だが、やはり「納得いっていない」という自己評価は変わらない。後半にも韓国のフリーキックに対して積極的に飛び出してパンチングした場面があったが、あくまで最初に狙うのは「キャッチ」である。
さらに言えば、日韓戦の試合展開と日本代表の選手たちの連動性や積極性があれば、より「キャッチで相手の流れを切る」ことが有効だった可能性があると、権田は考えている。
「鎌田(大地)選手にしても南野(拓実)選手にしても、切り替えのところは早く前に出てくれるので、キャッチすることで(相手の)攻撃を終わらせて、(味方に)つなげることができた方がより理想的。そういう意味では、あのプレー(前半AT46分のコーナーキック処理)は個人的には全然納得がいっていないかなという感じです」
パンチング重視は韓国代表の特徴を踏まえて意識していたようだが、もっと積極的にキャッチを狙えた可能性も十分にある。権田は試合の中でも自己研鑽を怠らず、快勝のなかからも次に向けた自らの課題や改善点を見出していた。
(取材・文:舩木渉)
【了】