【写真:Zoomのスクリーンショット】
日本代表は国際親善試合の韓国代表戦を翌日に控え、合宿を続けている。24日のオンライン取材にはイタリア・セリエAのサンプドリアに所属するDF吉田麻也が登場した。
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キャプテンでもある吉田が何度も強調したのは、日韓戦の重要性だ。近年も国内組のみで臨んだEAFF E-1サッカー選手権で対戦してはいるが、お互いに“ベストメンバー”で戦える試合は約10年ぶり。ワールドカップ予選などで同組になることもなく、久しぶりに“ガチンコ”の勝負になる。
だが、前回の“ガチンコ”から10年経ってしまったが故に、日本代表での経験が浅い選手たちは日韓戦の重要性を十分に理解していないのではないか。吉田はそうした認識の甘さを危惧していた。
「日本代表で戦う以上、最も大切な試合だと思います。もちろんどの試合も代表戦は大事だと思いますけど、それだけ韓国代表と戦うことは大切なことで、絶対に勝たなければいけない試合だと思っていますし、僕だけじゃなくて韓国代表もそう思っているはずです」
2011年8月に日本代表が韓国代表を3-0で破った際のメンバーで、今回も招集されているのは吉田とGK西川周作だけ。「僕たちより下の選手は今回がおそらく初めてになると思うので、練習からいかにこの対戦が日本代表にとって大切なものかというのを伝えていかなければいけないなと思いますし、何よりプレーで示していきたいと思います」と吉田は「10年間ずっと楽しみにしてきた」一戦に向けて気を引き締めていた。
「正直、長く韓国戦をやっていなかったですし、僕が子どものころに見ていた、バチバチに予選で戦う、というのはやっていないんですよね。僕が上(の世代の)の選手たちにいかに日韓戦の重要性であるとか、勝たなければいけないと伝えられてきたギリギリの世代だと思います。
10年という間が空いてしまったがゆえに、その部分を伝えられていないというのは若干僕のなかでは危惧があって、それをスタッフの人たちとも話していますし、メディアを通じてでも下の若い20代の選手たちに、この試合の意味というのを理解してほしいなと思っています。みんなが韓国戦の重要性に気がついて、意識を強く持ってもらいたいと思っています」
胸に秘める気合いは相当なものだ。オンライン取材だったので画面越しではあるが、吉田からは燃えたぎるような気迫と、日韓戦にかける気持ちの重みが感じられた。先輩たちから受け継いできた「ライバル」との関係性や、試合に臨むにあたっての意識については次のように語っている。
「まず1つは負けられない、絶対に勝たなければいけない試合だと。こういうのはいまの時代にそぐわないかもしれないですけど、足が折れても…とか、身体が壊れてもぶつかっていかなければいけない、勝たなければいけないという表現をよくしていました。だから、僕よりも下の世代にそういう表現で伝えるのかは合っているのかはわからないんですけど、そういうことを確実に意識してほしい。キャリアのなかで一番大事になる試合というのは意識してほしいと思います」
ただの国際親善試合ではない。日韓戦は骨と骨がぶつかり合う、互いの意地とプライドをかけた究極のガチンコ勝負だ。
(取材・文:舩木渉)
【了】