【写真:Getty Images】
日本サッカー協会は今月25日の韓国代表戦と、同30日に行われるカタールワールドカップアジア2次予選のモンゴル代表戦に向けた日本代表メンバーを発表した。
【今シーズンの欧州サッカーはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】
同時期に東京五輪世代のU-24日本代表も活動予定。世代を区別することなく「1カテゴリー2チーム」を掲げて2チームを兼任してきた森保一監督が若手選手たちをA代表とU-24代表にどう配分するかも注目されていた。結果、今回のA代表に選ばれた東京五輪世代の選手はDF冨安健洋のみとなっている。
森保監督は「基本的には東京五輪世代のU-24の選手たちはアルゼンチン戦に回ってもらい、勝利を目指して戦ってもらう。そしていい経験を積んでもらいたいということで、2チームの編成をしています」と説明。
冨安については「彼をずっとコアなメンバーとしてスタメンで出られるだけの代表でのプレーを続けてくれていますし、所属チームでもそういったプレーを見せてくれています」と相変わらず極めて高く評価している。
東京五輪世代にも堂安律や久保建英らA代表経験者は多く、「(冨安以外の)他の選手にも、もちろんA代表でスタメンでプレーできる選手がいて、スタメンでなくてもサブのメンバーとして入ってもらう戦力として考えられます」と森保監督は語る。
だが、2チームが並行して活動する今回に限っては「(A代表で)絶対的にスタメンでないということであれば、U-24代表で世界的強豪のアルゼンチン戦に回ってもらい、そこで素晴らしい相手とプレーする時間が長い方が個の成長につながります」と強調する。
逆説的に考えれば、森保監督は冨安をA代表の「絶対的なスタメン」と位置づけていることもわかった。2018年のロシアワールドカップ後に日本代表入りを果たした若きセンターバックは、現在イタリア・セリエAのボローニャでディフェンスラインの主軸として活躍している。
東京五輪世代のなかで最も高いレベルで最もコンスタントに力を発揮している選手であることに疑いはなく、2019年のアジアカップなどをはじめA代表のスタメンとして数々の国際舞台を経験してきた。いまや日本代表にとって欠かせない選手の1人だ。
一方で、冨安は東京五輪世代の代表チームに入った経験が乏しい。A代表に選ばれ続けていることで、ともに金メダル獲得を目指す同世代の選手たちとの連係不足が懸念されるが、森保監督は心配していないようだ。
「五輪代表での活動をしないことが、コンビネーションの不安になるかというと、全くそうは思っていません。もともと育成年代で(一緒に)プレーしてきている選手もたくさんいますし、昨年の活動で言えば、10月や11月、その前のA代表でも、今回はU-24代表に回る選手たちともプレーし、意思疎通はできていると思います。以前参加してもらったコパ・アメリカで南米の強豪と戦ううえで、今回アルゼンチン戦に回る選手たちと戦ってきていますし、十分コンビネーションは取れると思っています」
それぞれのチームにおける出場時間の確保を最優先して、選手の振り分けを決めたことが吉と出るか凶と出るか。東京五輪は7月下旬に開幕予定。冨安はその時、ぶっつけ本番に近い形でU-24日本代表に加わることになるかもしれない。
【了】