マンCは開始33秒でPK献上
マンチェスター・シティの無敗は28試合でストップした。無得点に終わったのは昨年12月12日のマンチェスター・ユナイテッド戦以来。つまり、シティはユナイテッドからプレミアリーグで1点も奪えなかったことになる。
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マンチェスター・シティが自陣でのスローインからボールを失う。マーカス・ラッシュフォードのドリブルはシティの守備に引っかかったが、こぼれ球を拾ったアントニー・マルシャルがペナルティーエリア内に侵入。すると、ボールロストのきっかけとなったガブリエウ・ジェズスがマルシャルを倒してしまう。ユナイテッドにPKが与えられ、ブルーノ・フェルナンデスがこれを成功させた。
PKの判定が下されたのは開始わずか33秒。2分の得点でシティはリードを許すこととなった。シティは公式戦で破竹の21連勝、その間13度のクリーンシートをマークしている。先制点を許したのは実に13試合ぶりだった。
失点シーンに代表されるように、立ち上がりのシティは自陣でのボールロストが目立った。4分にはこともあろうか、ペナルティーエリア内でボールを失い、フィニッシュに持ち込まれている。立ち上がりからアグレッシブなプレーを見せたユナイテッドに、足元をすくわれていた。
マンUのカンセロ封じ
4-3-3のシティと4-2-3-1のユナイテッドはお互いの最終ラインを除いて選手がマンツーマンでマッチアップする。シティはユナイテッドのプレッシングに苦しんでいた。
右サイドバックのジョアン・カンセロは左ウイングのマーカス・ラッシュフォードにマンマークで監視されていた。サイドに開いてボールを運ぶ右センターバックのジョン・ストーンズにラッシュフォードが対応すると、カンセロへのマークはフレッジへと受け渡された。
このとき、中盤にはシティの数的優位が一瞬生まれるが、ユナイテッドは2列目からダニエル・ジェームズかブルーノ・フェルナンデスがスライドして数的同数を保っている。両者の献身的なディフェンスは、完封勝利になくてはならない存在だった。
このようにして、シティは右サイドを封じられた。データサイト『Whoscored.com』によれば、シティの攻撃は43%が左サイドから。カンセロが封じられたシティは手詰まりとなっていた。
ハリー・マグワイアは試合後、「うちには素晴らしいコーチと素晴らしい監督、そして素晴らしい分析官がいる」と語り、「彼らの功績」と称えた。選手個々のパフォーマンスもさることながら、チームとしての戦略が勝った試合だった。
(文:加藤健一)
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