バルセロナは劇的な勝利で決勝進出
3週間前の1stレグを0-2で落としていたバルセロナは、12分にウスマン・デンベレのゴールで先制した。しかし、追加点を決められず、2戦合計スコア1-2の状況で試合は後半アディショナルに。バルセロナにとっては苦しい展開だった。
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しかし、セビージャはフェルナンドが退場処分を受けて数的不利になると、ジェラール・ピケに同点ゴールが生まれて、土壇場でバルセロナが追いつく。延長戦には途中出場のマルティン・ブライスワイトがゴールを決めた。3-0で勝利したバルセロナが2戦合計スコアを3-2とし、決勝進出を決めている。
バルセロナは4日前にリーグ戦でセビージャに勝利を収めており、ロナルド・クーマン監督は3-5-2の布陣を踏襲した。デンベレはリオネル・メッシとともに2トップで起用されている。
バルセロナはセンターバックを3人にすることで安定感が生まれた。前線の枚数は1人減るが、メッシが守備のタスクを負うことで前線からの守備強度を上げている。4日前の試合と同様に、バルセロナが試合の主導権を握る時間が長かった。
ボールを握って敵陣に押し込んだが、試合巧者のセビージャ相手に2点差を逆転するのは至難の業だった。しかし、その望みをつないだのはデンベレのゴールである。12分という早い時間に先制点が生まれていなければ、バルセロナの逆転突破は不可能に近かった。
デンベレは「すべてが変わった」
2トップに入ることで、デンベレはウイングのときよりも中央でプレーする時間が長くなる。必然的にドリブルの回数は減るが、享受できるメリットもある。
先月24日のエルチェ戦で後半から投入されたデンベレは、攻撃を活性化させた。「デンベレを入れて深さを作り、フィールドをこじ開けた」と、ロナルド・クーマン監督は試合後にデンベレ起用の意図を説明している。スピードに長けるデンベレはクーマン監督の言う通り、バルセロナの攻撃に深さを作ることができる。
これまで度重なる怪我に悩まされてきたが、今季の負傷離脱は1度で、それにより欠場したのは4試合のみ。復帰後はほとんどのゲームに先発している。UEFA公式サイトでデンベレは「ここに来たとき、僕はとても身体が非常に弱かった」と振り返る。そして、「ずいぶん進歩したと思う。トレーニングの仕方、試合に向けての準備の仕方、すべてが変わったよ」と成長を実感していた。
「自分でドリブルして攻撃するのが好きだけど、リラックスしてチームメイトを待ち、3人や4人の選手を無理にドリブルで抜こうとしないように言われている」
まさに、セビージャ戦の先制ゴールがそうだった。ペナルティーエリアでボールを収めると、相手の寄せが遅れたところで右足を振り抜いた。強引にドリブルで突破することも多かったが、そういった場面もあまり見られなくなっている。
堅守を誇るセビージャから2試合続けてゴールを奪取した。コンディション、プレースタイル、そしてポジション。「すべてが変わった」デンベレは、自身の特徴を発揮する環境を手に入れている。
(文:加藤健一)
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