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レノファ山口、渡邉晋新監督が就任会見。ビジョンに惹かれ快諾、目標は「2年かけてJ1昇格」

text by 編集部 photo by Getty Images

渡邉晋
【写真:Getty Images】

 Jリーグも2021シーズン開幕に向けて動き始めている。8日には、レノファ山口FCの渡邉晋新監督が就任記者会見に臨んだ。

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 2019シーズン限りでベガルタ仙台の監督を退任して以来、2年ぶりの現場復帰となる渡邉監督。新たな戦いの場はJ2となるが、「このクラブには明確なビジョンがあるということ。その明確なビジョンに基づく、ピッチで表現されるプレーそのものがある。そこに私は強く惹かれました」とレノファからのオファーを引き受けた理由を明かした。

 クラブ首脳陣と対話するなかで「このオファーを引き受けないわけにはいかない」と強い使命感を覚えての挑戦。2020シーズンのレノファはJ2最下位の22位に終わっていた。新型コロナウイルスの影響により降格なしのレギュレーションに変更されていたことで救われたが、本来ならJ3に降格していた順位だった。

 とりわけリーグワーストの74失点を喫した守備の立て直しは急務。すでに2020年の試合をほぼ視聴済みという渡邉新監督は、失点増の原因の分析も終えているという。そして「おそらく守備における原理原則をしっかり取り戻すことができれば、これほどの失点はなくなるだろうと考えています」と守備再建に自信をのぞかせた。

 そのうえで「攻守においてアグレシッブに、なるべくボールは相手陣地で奪う、なるべく自分たちが攻撃で主導権を握る、理想を言えば90分間相手のハーフコートでゲームをする。それが私自身が持っている究極の理想です。それはこのチームでもしっかりと表現できるようにやっていきたいと思っています」と、新生レノファが目指すサッカー像も示した。

 また、渡邉監督は「2年かけてJ1昇格」という大きな目標も掲げた。就任1年目の2021シーズンは「まずは我々の本気度を示したい。可能性を皆さんに感じ取ってもらいたい。そのような1年にしたい」と言葉に力を込める。

 今季の目標とする勝ち点や順位については「私の頭の中にはありますけれども、まずは選手たちに伝えさせてください」と就任会見の場での言明は避けた。

 だが、「当然、2年かけて昇格を目指すのであれば、今季残留争いをしているようでは、可能性だったり本気度を皆さんが感じることはできない」とも語る。まずは失点がかさんだ原因を潰し、攻守にアグレッシブで自分たちから主導権を握りにいくサッカーを確立するためのベース作りから。

 渡邉監督はキャンプなどを通じてチームのコンセプトやプレーモデルをいかに選手たちに落とし込むか、すでにイメージは描けている様子。ベガルタ時代にも高く評価されていた戦術家としての手腕を遺憾なく発揮できる環境は整った。J2の底に沈んだレノファをどのように立て直していくか注目だ。

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渡邉晋は《切る》《留める》《解放》など独自の言語を用い、ベガルタ仙台に「クレバーフットボール」を落とし込んだ。実は選手を指導する際、いわゆる『ポジショナルプレー』というカタカナ言葉は一切使っていない。
にもかかわらず、結果的にあのペップ・グアルディオラの志向と同じような「スペースの支配」という攻撃的なマインドを杜の都に浸透させた。フットボールのすべては「相手を困らせる立ち位置」を取ることから始まる――。
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【了】

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