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またも…マンチェスター・ユナイテッドが繰り返す過ち。ラッシュフォードの警鐘むなしく、敗退の要因は?【CL分析コラム】

UEFAチャンピオンズリーグ(CL)グループH最終節、RBライプツィヒ対マンチェスター・ユナイテッドが現地時間8日に行われ、3-2でライプツィヒが勝利した。ユナイテッドは公式戦4試合連続で先制点を許す苦しい展開で、終盤の反撃も及ばず。決勝トーナメント進出を逃し、UEFAヨーロッパリーグに進むことが決まった。(文:加藤健一)

text by 加藤健一 photo by Getty Images

マンUが繰り返す過ち

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【写真:Getty Images】

 4連勝中のプレミアリーグでは徐々に順位を上げているマンチェスター・ユナイテッドだが、背番号10を背負うマーカス・ラッシュフォードは警鐘を鳴らす。「改める必要がある。闘志を押し出して逆転勝利できるのは良いことだけれど、理想を言えば、先制されたくはない」と、土曜日に行われたウェストハム戦の試合後に振り返った。

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 ラッシュフォードの言葉通り、ユナイテッドはリーグ戦の4連勝のうち3試合が逆転勝利で、アウェイゲームでは5試合連続で先制された後に逆転している。結果がついてきているからいい、というわけではなかった。

 ラッシュフォードの警鐘もむなしく、ライプツィヒ戦でもそれは繰り返された。

 キックオフから2分足らず、マルセル・ザビツァーのアーリークロスがファーサイドに流れると、アンヘリーニョがダイレクトで左足を振り抜いて決めた。さらに10分後にはアンヘリーニョのクロスからファーサイドのアマドゥ・ハイダラがボレーシュートを決め、ユナイテッドは13分までに2点のビハインドを負った。

 ユナイテッドの布陣は攻撃時に5-2-1-2、守備時は4-2-3-1というものだったが、これが機能しなかった。ボールを持たれたときは5バックになるはずだったが、ライプツィヒの両ウイングバックに揺さぶられ、ファーサイドへのクロスから2点を失っている。5バックにした意味は何だったのだろうか。

逃げ切ったライプツィヒ

 31分にはライプツィヒが三度ゴールネットを揺らしたが、VARに助けられてリードは2点のまま後半へ。ユナイテッドはドニー・ファン・デベークを入れて4バックに変更したが、なかなかフィニッシュに持ち込めず。相手のミスを見逃さなかったジャスティン・クライファートのゴールでライプツィヒは点差を3点に広げた。

 ライプツィヒの激しいマークに苦しんでいたブルーノ・フェルナンデスは、ポール・ポグバ投入によって蘇った。メイソン・グリーンウッドが倒されて得たPKをブルーノ・フェルナンデスが決めて1点を返すと、その2分後にCKからポグバのヘディングシュートをおぜん立て。これがイブラヒマ・コナテに当たってゴールに吸い込まれた。

 ライプツィヒは嫌な予感がしたかもしれない。2試合連続で3失点を喫しており、3日前にはバイエルン・ミュンヘン戦を戦ったばかり。終盤は疲労の色は隠せずに防戦一方だった。

 それでも、ペテル・グラーチの再三に渡る好セーブがチームを救った。なんとか逃げ切ることに成功し、0-5と大敗した前回対戦の悪い記憶を払しょくしている。

ポグバとブルーノの共存

 ポグバが入ったことでブルーノ・フェルナンデスへのマークが分散され、相手を押し込むことができた。しかし、2人を共存させればいいというものでもない。ライプツィヒがリードし、疲労によって足が止まっていたことも彼らの活躍を後押ししていた。

 今季は負傷の影響でベンチスタートの試合が多いポグバだが、短い時間で見せるプレーのクオリティはやはり高い。それをあの代理人がどう思うか分からないが、後半途中からプレーすることでその特徴は活かすことができる。2人の共存は攻撃面で見れば強力だが、それを成立させるためには犠牲も伴う。

 その点で見れば、フレッジの不在が響いたのは間違いない。フレッジがいればライプツィヒの圧力に対抗できたかもしれないが、ネマニャ・マティッチには難しかった。PSG戦で退場になる前に替えておけばという後悔は残る。

 フレッジが先発した試合でユナイテッドは7勝1分2敗という好成績を誇る。敗れたのはアーセナル戦とPSG戦で、前者はフレッジが下がった直後に決勝点を決められ、PSG戦は退場となった後にダメ押しの失点を喫している。スタッツにこそ反映されないが、フレッジがピッチにいることの影響力は間違いなく大きい。

 後半の鮮やかな逆転勝利が続いている最近は、ブルーノ・フェルナンデスの活躍がフィーチャーされがち。しかし、90分間走り続けて広大なスペースをカバーするフレッジの働きは貴重で、他の選手では代わりが利かない。フレッジの重要性を改めて認識したい試合でもあった。

(文:加藤健一)

【了】

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