ジョアン・モウチーニョがもたらしたもの
プレミア挑戦1年目にルイ・パトリシオという、ユーロ優勝を果たしたポルトガル代表の国際的なGKを得たことでウルヴスはプレミアリーグにおいてシーズンを通じて46失点に押さえることができた。この数字は20チーム中5番目に少ないものであり、失点数でウルヴスよりも少ないのはマンチェスター・シティ、リヴァプール、チェルシー、トッテナムの4チームだけだった。
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また中盤に優れたヴィジョンとボールコントロールを持つジョアン・モウチーニョが加わったことで、中盤は安定しボールはよく回った。彼の経験が活かされ、これまで以上に高いクオリティを見せた。ルベン・ネヴェスは前シーズンもエリア外からの美しいシュートを見せ活躍していたが、モウチーニョが加わったことでさらに輝く存在となった。
モウチーニョは公式戦46試合中44試合に出場。モウチーニョの存在は相手チームにより困難をもたらすことになった。小柄なモウチーニョはあたかも壊れやすく、相手はもろい存在にも感じたかもしれない。しかし、モウチーニョはチームの気持ちを映し出す鏡のような存在となった。つまり身体は小さくとも勝利に対する意欲はとてつもなく大きかったからだ。
ディオゴ・ジョッタはいわゆるヌーノ・エスピーリト・サント監督とのパッケージとしてジョルジュ・メンデスがジェフ・シリ会長に売り込んだのでありヌーノとともに1年目はチャンピオンシップを戦っている。サイドアタッカーのみならずトップやトップ下もこなす。
彼の長所はすでにパソス・デ・フェレイラ時代から示してきたが、スピードがあり、ドリブルがうまいが、DFライン背後へのフリーランニングも長けている。そしてシュートもうまい。初年度に18得点を挙げたが、プレミアリーグ昇格年にも10得点を決めてチームの最多得点者となっている。
絶大! ラウール・ヒメネスの存在感
ポルトガル人ではないが、ポルトガルリーグで活躍してきたメキシコ人のラウール・ヒメネスの存在も大きい。彼はベンフィカのFWとして3シーズンプレーしている。ベンフィカにはブラジル人のジョナスがいて、ポジション争いを続けてきていた。3シーズンで31得点を決めていたが、彼自身もさらなる飛躍を希望したため、ウルヴスへのレンタルの話がでると即答でOKしたという。
プレミア昇格1年目から加わったメキシコ人アタッカーは適応に少し苦労したが、時間とともにチームメイトとのコンビネーションもよくなりゴールを量産するようになった。その後の公式戦では20試合に出場し10得点。プレミアリーグでのチーム総得点47点のうち13ゴールを決める活躍を見せた。
ラウール・ヒメネスの決定力は、ディオゴ・ジョッタではなく、もう1人のアタッカーであるスペイン人のアダマ・トラオレに支えられていた。トラオレはフィジカルが強くスピードのある選手だ。
そしてまたヌーノ監督にとって秘密兵器的な存在でもあった。常に先発するわけではないが、ほとんどいつもベンチスタートで途中からピッチに立った。チームの重要な存在へとなっていった。
トラオレは右サイドからセンタリングをしてチャンスを作り、それを多くの場合ラウール・ヒメネスが決めた。トラオレとともに、ディオゴ・ジョッタ、モウチーニョ、ルベン・ネヴェスによりウルヴスは攻撃のレパートリーを持つことになり、プレミアリーグでも有数の攻撃陣を構成するに至ったのだ。
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