【写真提供:横浜F・マリノス】
横浜F・マリノスはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージで3連勝を飾った。28日に行われる第4節の上海上港戦で引き分け以上なら、決勝トーナメント進出が決まる状況にある。
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上海上港とは中2日で、2試合連続の対戦となる。25日に行われた第3節では最終盤に天野純が決勝点を奪い、1-0でマリノスが勝利した。GKオビ・パウエル・オビンナのPKセーブにも助けられ、どちらに転ぶかわからないギリギリの展開を制したのだった。
27日にオンラインでの取材に応じたマリノスのDF高野遼は「やっぱり普段のJリーグの試合とは全く別の雰囲気もありました。審判も相手も含め全てがいつもと違う環境、再開初戦と、いろいろな意味がある、難しい試合になったのかなと思います」と2日前の一戦を振り返った。
だが、苦しい試合だったからこそ、つかみ取った勝ち点3の価値は大きい。
「なかなか自分たちのいいリズムでチャンスを作れなかったり、逆に一発でピンチになりかねない場面も何回かあった。その中でも90分を通してなんとか勝ち点3を取れた、すごく意味のある勝利だったのかなと思います」
高野は63分から途中出場し、左ウィングに入った。そして90分のゴールの場面で、起点となるクロスを上げた。左サイドでボールを持つと、一度カットインするように見せかけてから一気に外へ持ち出し、鋭く腰をひねって高速クロスを放った。
ゴール前で同じく途中出場の仲川輝人がヘディングで合わせると、一度は相手GKに弾かれる。そして、こぼれ球に途中出場の天野が詰めてゴールネットを揺らした。
ドンピシャのクロスで決勝点をお膳立てした高野は「あの形は自分としても得意としているので、短い時間の中でも何回か出そうと思っていた」と、思い切った仕掛けの判断を振り返る。
「うまくテルくん(仲川)も入ってくれたし、純くん(天野)も入ってくれたし、キー坊(喜田拓也)もペナルティエリアの中に入っていましたし、あそこに全員が詰めてくれたのが得点につながったのかなと思います」
ベンチから投入された途中交代の選手たちが力を発揮した、勝利への思いの強さが実った1点だった。
あと1ポイントでも積み上げれば、マリノスはクラブ史上初の決勝トーナメント進出を果たすことができる。だが、引き分けという最低限の結果のための戦いはしない。高野はチームとして共有している哲学を改めて強調した。
「チームとしてはACLだから戦い方を変えることは特になく、今まで通り自分たちのサッカーを貫いて、誰が出ても変わらないサッカーをする。それは次の試合もブレずに、自分たちのサッカーで勝ちたいと思います」
25日の試合では何としてでも試合のテンポを上げさせたくない上海上港と、どんどんテンポを上げてパスワークで振り回したいマリノスが90分を通して激しいせめぎ合いを見せた。中2日での再戦はどんな展開になるだろうか。
Jリーグで見せてきたような高速のアタッキング・フットボールが機能すれば、勝利はぐっと近くなる。
(取材・文:舩木渉)
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