【写真:Getty Images】
日本代表は現地17日にメキシコ代表と国際親善試合を行い、0-2で敗れた。
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前半は日本も多くのチャンスを作りながら仕留めきれず。後半は逆にギアを上げたメキシコに主導権を握られ、63分、68分と立て続けにゴールを奪われてしまった。
今回はブレーメンに所属するFW大迫勇也が、クラブと地域の新型コロナウイルス感染防止策の影響を受けて招集外に。誰がエースストライカーの代役を担うのか、あるいは大迫に代わる人材が現れるのかも注目されていた。
13日のパナマ代表戦では1トップに南野拓実が入り、メキシコ戦は鈴木武蔵が4-2-3-1の頂点で先発出場。しかし、2人とも流れの中からのゴールは奪えず。日本代表としても10月からの4試合はセットプレーからしか得点できておらず、前線の迫力不足は顕著にあらわれてきている。
メキシコ戦に先発した鈴木は「前半の何本かあったチャンスを決めきれないと、こういう強い相手にはこういうゲームになってしまう。本当にFWとしての責任を感じています」とうなだれた。
チャンスは確かにあった。特に15分の場面ではGKと1対1の状況が生まれたものの、鈴木が放ったシュートはメキシコのベテラン守護神ギジェルモ・オチョアが倒れながら反対側に残した足に阻まれた。
「ボールを置く位置はよかった。ちょっと(GKが)倒れるのが見えて、ファーサイドに流し込んだんですけど、(オチョアが)足をよく残せたのと、振り返ってみればもう少し浮かせて打つのがベストだったなと、結果論ですけど、思います」
鈴木は「シュートを打つとき、練習からどこに打つかはすごく考えながらやっているので、結果論ですけど、(15分の場面は)浮かせて打つのがベストな選択だったし、もう少し自信を持って打ってもよかった」と繰り返し自らの判断を悔やむ。
そして「あそこで相手が1枚上手だったなと思いますし、僕自身もまだだだ未熟」と実力不足も素直に認める。
一方で、メキシコのエースストライカーはきっちりと与えられた仕事を果たしてベンチに帰っていった。すでに交代選手が準備していて、次にプレーが切れたタイミングでピッチを後にするだろうと思われていた直前に試合を大きく動かす先制点を奪って見せたのがラウール・ヒメネスだった。
「前半はメキシコにそんなにチャンスがない中で、後半、一気にああやって1つのチャンスで決めきるのは、やっぱりプレミアリーグでやっているだけあって、そういう勝負強いところは本当に…僕もそこで勝負強さが出てこないとなかなか上では戦っていけないと思います」
ウォルバーハンプトンでもエースの重責を担うワールドクラスの実力者に違いを見せつけられ、鈴木の言葉からはそこはかとない悔しさがにじみ出る。大迫とポジション争いができる、あるいは代役を任せられるストライカーは、今の日本代表にいないことが証明されてしまった試合だった。
鈴木は実力差をまざまざと見せつけられても、前を向いて自分の成長のために努力を続けるつもりだ。「やることはそんな変わらないですね。いつも通り、いつもの練習からシュートのコースだったり、タイミングだったりは意識しているので、クラブ(ベールスホット)でまた結果を出して、(日本代表に)呼ばれるようにどんどん点を取っていきたいです」と決意を述べる。
ベルギーリーグでは移籍から半年足らずで実力が認められつつあっても、国際レベルではまだまだ。自らの現在地を痛いほど思い知らされたストライカーが、その悔しさをバネに今後どのような成長を見せるか注目だ。
(取材:元川悦子、文・構成:編集部)
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