【写真:Getty Images】
日本代表は現地17日にメキシコ代表と国際親善試合を行い、0-2で敗れた。
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前半は日本も多くのチャンスを作りながら仕留めきれず。後半は逆にギアを上げたメキシコに主導権を握られ、63分、68分と立て続けにゴールを奪われてしまった。
メキシコ代表を率いるヘラルド・マルティーノ監督は「前半の20分から25分くらいまでは私が代表監督に就任してから、ここ2年間で最悪の時間帯だった」と振り返る。一方、後半に関しては「日本のプレーに先回りして、日本の選手たちにやりづらい状況を作り出し、そして試合を有利に運ぶことができた」と手応えを口にした。
日本の敗因に挙げたのは、やはり「決定力」だ。特に前半の「試合を有利に流れを進めている時は、それを結果に反映せる必要がある」とマルティーノ監督は指摘。そのうえで「残念ながら日本代表は我々のGKの働きが良かったこともあって、それを決め切ることができなかった」とピンチの連続を無失点で切り抜けた守護神ギジェルモ・オチョアを称えた。
不完全燃焼の前半を終えたメキシコ代表は、ハーフタイムを活用して2枚の交代カードを切る。それによってアンカーを置く4-3-3から「普段あまりやっていない」というダブルボランチの4-2-3-1に変更。「中盤で相手に負けていたので、そこのインテンシティを高めたい」という狙いは奏功し、先制に成功した後も積極的な交代策で、日本の反撃に先回りして主導権を握り続けた。
中2日だったメキシコはコンディション面に不安があっただろうし、主力選手、特に中盤に多くの負傷者がいた。そんな状況での2-0は、実力差を見せつけての完勝と言ってもいいだろう。
では、日本代表は成長しているのだろうか。10年前の南アフリカワールドカップの決勝トーナメント1回戦で日本代表と対戦し、PK戦までもつれる激闘を演じたパラグアイ代表を率いていたのが、現メキシコ代表のマルティーノ監督だった。
記者から「10年前からの日本代表の変化」について問われると、経験豊富なアルゼンチン人指揮官は「親善試合で戦っているチームと、ワールドカップのベスト16で戦っているチームは全く別物だと申し上げておきたい。その2つを比較するのは少しフェアではないかもしれない」という前提のもと、次のように述べた。
「より入念に計算されたサッカーを現在の日本代表はするようになったと思う」
丁寧に作られたゲームプランがあったとしても、決めるべきチャンスを外していれば、自然と流れは相手に傾いていってしまう。森保ジャパンは決定力のなさによって、みすみす主導権を渡してしまったと言えるかもしれない。「入念に計算されたサッカー」ができるようになっても、メキシコとの差はまだまだ大きい。
(取材・文:舩木渉)
【了】