【写真:Getty Images】
【日本 1-0 パナマ 国際親善試合】
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森保一監督率いる日本代表は13日、オーストリア・グラーツで行われた国際親善試合でパナマ代表と対戦している。
精彩を欠きスコアレスドローで前半を終えた森保ジャパンだったが、後半頭に遠藤航が入ると流れが劇的に変化。同選手が良いポジションでボールを受け、相手を引き付けたところで縦パスをズバッと入れる。そうすることでパナマ守備陣に少しずつズレが生じ、空いたスペースを日本代表の選手たちが効果的に使う。こうして、攻撃に可能性が出てきたのだ。
そして59分に南野拓実がPKを奪取。これを自ら沈め、リードを奪った。日本代表はその後もパナマ代表を押し込み、追加点こそ奪えなかったが1-0で勝利。ポジティブな雰囲気のまま試合を締めることに成功している。
しかし、勝利こそ奪えたが、前半の出来はチームとして反省すべきだ。ボールの奪いどころが定まらず、ズルズルとラインが下がる。そしてカウンターが発動しても、自滅してフィニッシュまで持ち込めない。この繰り返しだった。
ボールを保持しても、前線は躍動感を欠いた。最終ラインからのロングフィードで一気に深さを取る狙いは何度か見せたが、5本中1本通れば合格レベル。パナマ代表守備陣も、当然ながらそう簡単には攻めさせてくれない。久保建英も三好康児も南野拓実も、ボールを持った状態で深さを作るのにかなり苦労していた。
10月シリーズでは伊東純也が躍動していた。彼のスピードを生かした突破力は相手守備陣を押し下げるのにうってつけのスキルだ。しかし、この日の前半にそうした選手はいなかった。そのためゴールから離れた位置でのプレーを強いられ、それが停滞感に繋がってしまったのだ。
こうした状況でスピード自慢の伊東以外に望まれるのは中島翔哉のようなタイプだ。同選手のボールを持てば仕掛ける、そしてどこからでもシュートを打つという姿勢は相手のラインを下げさせることはもちろん、どこか攻撃全体の躍動感を生んでくれる。ドリブルで彼が一枚剥がせればスペースが生まれ、他の選手の動きも活発になるからだ。
中島に対してはこれまで「ボールを持ちすぎ」という声も多く聞かれたが、今思うと彼のエゴは日本代表に必要なスキルだったのかもしれない。パナマ代表戦の前半にはまったくなかったワクワク感、そして躍動感が、中島の繰り出すドリブルとそれによる周りのアクションには確かにあった。パナマ代表戦の45分間のように組織で互角、あるいは下回るなら(最近の日本代表の試合はこれが多い)、個で上回るしかない。中島にはその「個」がある。
長くポルトで出場機会を得られていなかったという理由で今年は代表招集を受けていないが、復帰後のパフォーマンスは決して悪くない。どうやらポルトガルの地では守備意識も改善されているようだ。
攻撃面でどうしても組織としての強さを示すことができない今の日本代表の状況だからこそ、中島のプレーは見てみたい。再招集の日を心待ちにしよう。
(文:編集部)
【了】