【写真:Getty Images】
【日本 1-0 パナマ 国際親善試合】
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日本代表は13日、オーストリア・グラーツで行われた国際親善試合でFIFAランキング77位のパナマ代表と対戦している。
前半は攻守ともにチグハグな内容で0-0に終わったが、後半頭から遠藤航が投入されると流れが劇的に変化。高い位置でボールを奪うなど良い守備が発揮できるようになり、必然的にそれが良い攻撃にも繋がる。こうしてパナマ代表を押し込むと、59分にPKを獲得。これを南野拓実が沈めてリードを奪った。
その後相手に退場者が出たこともあり試合はより一方的な展開となったが、追加点を奪うことはできず。それでも10月シリーズに続き守備陣が粘りを見せ、1-0で勝利をあげることに成功している。
この試合では途中出場を果たした選手の活躍が目立った。
遠藤は攻守両面で多くの仕事を果たすなどMOM級の輝き。彼がいなければ、勝利はなかったかもしれない。また、鎌田大地も非凡なパススキルを発揮し、浅野拓磨はパルチザン・ベオグラードでも威力を示すスピードを武器に相手GKを退場へと追い込んだ。そして原口元気も躍動感あるプレーを披露している。
一方で、先発組の何名かは不安定なパフォーマンスに終始している。
植田直通は対人戦でこそ強さを示したが、ビルドアップ時に苦戦。三好康児はパス精度を欠いてチャンスを自ら潰し、久保建英も相手の脅威になれたとは言い難い。柴崎岳も最後まで微妙な状態だった。
その中の一人に、この日歴代単独2位となる国際Aマッチ通算123試合目出場を果たした長友佑都も入る。メモリアルゲームを飾れたとは言い難かった。
長友は左ウイングバックで先発したが、以前のようなタフでアグレッシブなプレーは影を潜めていた。攻撃参加する回数は限られ、マッチアップした選手に自陣で吹き飛ばされてピンチを招くシーンもあるなど、自慢のフィジカルでも後手に。後半に一本決定機が訪れたが、見せ場はその一つのみ。最後まで左サイドを活性化できぬまま、57分にピッチを退いている。
長友の不安をまったく予想できなかったわけではない。代表ウィーク前の6日に行われたリーグ・アン第10節ストラスブール戦でも、同選手はアグレッシブさを失っており、不安定なパフォーマンスに終始。結果的に無失点に抑えたが、何度か失点に繋がりかねない対応を見せるなど、DF陣の中では最も低い評価が与えられていた。
それまで体調不良で休んでいた長友にとって、ストラスブール戦は久しぶりの試合だった。そして、その後すぐに代表合流。そのため、今回のパナマ戦は実戦感覚を完全に取り戻せていないまま挑んでいたと考えてもおかしくはない。
しかし、長友はもう34歳。フィジカルやスピードのレベルが低下、また実戦感覚やベストコンディションを維持することが難しくなっている、あるいはそれらを取り戻すまでの時間が長くなっていても不思議ではない。いわゆる、衰えがきている。ストラスブール戦、そして今回のパナマ戦のパフォーマンスを見る限り、そう言わざるを得ない。
ただ、そんな長友の後継者が未だに出てきていないのも問題。安西幸輝では物足りず、中山雄太や菅原由勢も発展途上中だ。Jリーグにも期待できる左SBは何人もいるが、まずは代表に招集されなければ話にならない。
これまでずっと不動の地位を築いてきた長友でさえも、不安要素となってきた。日本代表の左サイドはかつてない危機的状況にあるのかもしれない。
(文:編集部)
【了】