出番の少ない選手の積極起用もあり?
森保一監督率いる日本代表は10月シリーズに引き続き、今回も欧州組のみの編成となった。クラブ事情によって堂安律や大迫勇也の招集が見送りとなったが、前回不在だった浅野拓磨や橋本拳人が復帰。その他のメンバーに大きな変更はなかった。
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11月シリーズ初戦で対戦するパナマ代表とは2018年のロシアワールドカップ後にも顔を合わせている。この時は冨安健洋がA代表デビュー、三竿健斗や南野拓実など、まだ日本代表経験の浅かった選手を積極的に起用。ロシアW杯組との「融合」を図っていた。
森保監督はこの11月の2連戦でできるだけ多くの選手を起用したいという意思を示している。そのため2年前のゲーム同様、今回のパナマ代表戦でもこれまで日本代表でなかなか多くの出番を掴めなかった選手を思い切って起用してもいいだろう。今回はそうした点を踏まえ、スタメン案を紹介していきたい。
GKは未だファーストチョイスが定まっていないポジションであるが、今回はシュミット・ダニエルを推したい。川島永嗣や権田修一はクラブで出場機会を得られていない状況が続いているが、シュミットは現在リーグ戦2試合連続出場中。最も実戦感覚のある状態で合流できた点を考えても、やはりスタメン起用すべきだろう。
右サイドバックには室屋成。前回のコートジボワール代表戦ではまずまずのパフォーマンスを示したが、今回も存在感を誇示できるか注目だ。
センターバックの一角には最終ラインからの配給力に優れる板倉滉を推したい。所属するフローニンヘンでは開幕からスタメン出場が続いており、第4節では強豪アヤックスを完封。好調をしっかりと維持している。この勢いがあるうちに、代表でもぜひ見ておきたい選手だ。
その板倉、そして最終ラインを支える存在として吉田麻也は外せない。サンプドリアでも継続的に出番を得ており、日本代表における存在感も絶大。今回の11月シリーズでも頼りになるだろう。
左サイドバックには菅原由勢を推したい。厳密に言えば本職は右サイドであるが、左サイドでのプレー経験がまったくないというわけではなく、森保監督も前回のカメルーン代表戦では左で起用していた。そのユーティリティー性や非凡なスピードを生かした突破力は大きな魅力。所属クラブでは出番を得られていないが、ポスト長友佑都が見つかっていない中、試す意味は決して小さくないだろう。
久保をトップ下。鈴木は結果を残さないと…
中盤底2枚は柴崎岳と橋本拳人でどうだろうか。
柴崎は森保ジャパンにおける不動の存在であり、所属するレガネスでもコンスタントに出場機会を得られている。司令塔としてのパスの配給力はもちろんのこと、今回も代表経験豊富な選手の一人としてリーダーシップを発揮することが求められるだろう。
橋本はFC東京から移籍したロストフで急成長中。とくにここまでリーグ戦12試合で5ゴールを奪っているなど、得点力の向上は目を見張るものがある。それに加え攻守両面における積極性やパス捌きの安定感も兼備。様々なスキルを磨いて進化を続ける27歳を見ておかない理由は見当たらないだろう。
右サイドには三好康児の起用を推す。10月シリーズでは2試合ともに出番なしという悔しさを味わったが、コパ・アメリカ2019で躍動した通りポテンシャルは十分。所属するアントワープでの状態も悪くない。
そのアントワープではここ最近右ウイングバックでの起用がほとんどとなっている。これまでより多くの役割を任されている中、日本代表でも攻撃面のみならず守備面で存在感を示すことができれば、現在の立ち位置に変化が生まれるかもしれない。いずれにしても長い時間で見る価値はあるはずだ。
左サイドには浅野拓磨を推す。前回の10月シリーズは不在だったものの、所属クラブでは現在リーグ戦13試合で7得点3アシストを記録中。絶好調を維持したまま代表に合流できた選手の一人だ。
今季パルチザンでは右サイドでの起用が大半を占めているが、昨季まで任されていた左サイドでも問題なくプレーできるのは強み。類稀なスプリント力と近年着実に向上している左足のキックを武器に、森保ジャパンでも得点やアシストという決定的な仕事を果たしてほしいところだ。
そしてトップ下には久保建英を推したい。
久保はヨーロッパリーグ(EL)のスィヴァススポル戦でトップ下として出場し、1得点2アシストの活躍をみせている。ライン間でボールを引き出し、左右両サイド、そして縦と多くの選択肢を持てたことで輝く。そうしたことが大きく証明された試合であった。
パナマ代表戦はある程度ボールを保持する時間が長くなると予想される。その中で久保がパスに個人での仕掛けにと、多彩なアクションを起こすことができれば崩しの可能性はグッと高まるだろう。10月シリーズは左サイドで苦戦したが、今度はトップ下で新たな力をみせてほしいところである。
最後は1トップ。大迫が不在という状況は、鈴木武蔵にとってチャンスだろう。
鈴木はベールスホットで好調を維持しているが、日本代表ではなかなか存在感を示すことができていない。1トップとしてポストプレーを行うことは避けられず、自身が持っている良さを発揮することが難しくなっているのだ。
ただ、鈴木が代表で生き残るにはこのポジションしかない。パナマ代表戦で先発した場合も流れの中でポストプレーを求められる時間は決して少なくないはずだが、その中でいかにして結果を残していくのか。大迫不在で絶好のアピールチャンスだが、今回も不発に終わるようであれば、厳しい状況に陥ると言わざるを得ない。
(文:編集部)
【了】