千載一遇のチャンスを逃しドロー
低空飛行は続いている。だが、まだ焦る必要はない――、そんなところなのだろうか。
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現地時間8日に行われたプレミアリーグ第8節。ホームでリバプールと戦ったビッグマッチで、ケビン・デ・ブルイネは勝ち越しのチャンスを逃した。
スコアは1-1で迎えた42分。ベルギー代表MFは、自ら獲得したPKをゴールの左に外した。もちろんデ・ブルイネとてPKを外すこともあるだろうが、直後の表情からは、技術以前の問題で疲れているようだった。
それから後半に入って、ペップ・グアルディオラ監督が切ったカードは、ベルナルド・シウバの1枚のみ。最後までフィル・フォーデンはベンチを温めたまま。そしてフェラン・トーレスに代わって入ったポルトガル代表MFも、ゲームに変化を加えることはできず、試合は1-1のまま終わった。
チーム全体が好調時の躍動からは程遠く、デ・ブルイネが千載一遇のチャンスを逃した。リバプール戦を終えてリーグ戦の順位は10位(1試合未消化)。10月17日にアーセナルに完勝した後は、ここから波に乗るかと思われたが、24日のウェストハム戦でセルヒオ・アグエロがハムストリングを痛めて再び離脱。シティの低空飛行は続いている。にもかかわらず、ペップは試合後に「ドローはフェアな結果だ」とコメントを残している。
過密日程の中ではまずまずの成績
超が付くほどの過密スケジュールを考えれば、そのようなシティの指揮官の反応も無理はない。ただでさえイングランドは過密日程なのに、コロナ禍の今季は毎週チャンピオンズリーグ(CL)の試合があるのだ。
シティの面々は、この3週間の間にCLでポルトガル、南フランス、ギリシャと、ヨーロッパの西から東まで、なかなかの移動を強いられた。そう考えれば、代表ウィークに入る直前の試合で、リバプールと痛み分けは悪くない結果だ。加えてペップは試合後、プレミアリーグの交代枠が5人ではなく、3人のままであることに苦言を呈している。
それも“泣き言”と言ってしまえばそれまでなのだが、スキンヘッドの監督はこうも言っている。
「もちろんどのチームも勝ち点3が欲しい。1ポイントは1ポイントだ。今季、我々は12試合こなして1試合落とした」。
確かに今シーズンのここまでの戦績をポジティブに捉えれば、負けたのは2-5で敗れた9月27日のレスター戦だけだ。対戦したリバプールも10月4日に2-7でアストン・ビラに敗北するなど、似たような試合結果を残している。違いは引き分けの数と、何よりシティは開幕節が延期。仮にアストン・ビラ(延期分)に勝ったとして、勝ち点3を加えたとすると…悪くない順位だ。
CLは3連勝中で、このリバプール戦では復帰したばかりのガブリエウ・ジェズスが2試合連続ゴールを決めるなど、ポジティブな要素もある。もっとも、ブラジル代表FWは「僕らはここ(エティハド)でプレーする試合は全て勝つ必要がある」と、リバプール戦の結果に満足はしていないようだが、この苦境の中では、ジェズスのモチベーションの高さも1つの光と言える。
いずれにせよコンディショニングの苦労は今後も付きまとうだろう。コロナ禍の今季においては、チームの総合力を調整するペップの手腕が問われ続けそうだ。
(文:本田千尋)
【了】