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吉田麻也、新型コロナ禍で募った日本代表への思い「新しい日本サッカーの歴史を築きたい」

text by 編集部

吉田麻也
【写真:Getty Images】

 日本代表は現地13日にコートジボワール代表との国際親善試合に臨み、アフリカ屈指の強豪相手に1-0で勝利を収めた。

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 吉田麻也はキャプテンとしてチームを引っ張っただけでなく、安定感抜群のプレーで守備を引き締めて完封勝利に大きく貢献した。カメルーン戦も含めアフリカ勢に2試合連続の無失点を実現した日本代表のディフェンスラインは極めて粘り強かった。

「個人的には長くいたチームから移籍して、この半年、いろいろな新しいことにチャレンジして、またもう1回自分が成長するためにやるべきことをいろいろ考え、試行錯誤している中で、こうやってまた代表にこうやって呼んでもらって活動できることになりました。

やっぱりここで自分の存在価値を改めて証明しなければいけないと、この合宿前に思っていましたし、冨安(健洋)もいいパフォーマンスを出しているので、自分も負けないようにしなければいけないという危機感も、もちろん以前より強くなっています」

 吉田は今年1月末に、7年半過ごしたプレミアリーグのサウサウンプトンからイタリア・セリエAのサンプドリアへ期限付き移籍した。同7月には完全移籍に切り替わり、主力の1人としてクラウディオ・ラニエリ監督の信頼をつかんでいる。

 初めてプレーする国であるイタリアでの移籍、その後に襲った新型コロナウイルスの脅威、公式戦の長期中断など、2020年は様々な困難と向き合ってきた。その過程で自らのキャリアや日本代表に対する考えを整理する時間もあったという。

「新型コロナウイルスの影響でしばらく活動が止まったことによって、改めて自分の中での日本代表の存在だったり、日本代表に入ることの意義を考えさせられる時間がたくさんありました。

やっぱりまたここで自分が結果を出したい、ここで何か新しい日本サッカーの歴史を築きたいという、すごく強いモチベーションを抱くようになったので、そういう意味では不幸中の幸いというか…この期間があったからこそ、改めて自分自身がハングリーになれたのではないかと思います」

 日本代表に選ばれるのが当たり前になり、毎月のように所属クラブのある欧州と、代表戦が行われるアジアを往復する生活にも慣れきっていた。その日々がいきなり失われ、改めて母国を背負って戦うことの誇りなどを実感したに違いない。

 そして、同じイタリアでプレーし、欧州サッカー界でも注目を浴びる冨安健洋という逸材の突き上げもある。だからこそ、「もっともっと成長できると思っているので、新しいことをたくさん吸収したい」と32歳のセンターバックは貪欲だ。日本代表での居場所を維持するためには、歩みを止めるわけにはいかない。

 来年3月には2022年カタールワールドカップに向けたアジア地区予選も再開する予定になっている。日本代表の守備の柱として未だ絶大な存在感を放つ吉田の力は、7大会連続のワールドカップ出場権獲得のために不可欠だ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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