【写真提供:日本サッカー協会】
【日本 1-0 コートジボワール 国際親善試合】
日本代表は13日、オランダ・ユトレヒトで行われた国際親善試合でコートジボワール代表と対戦。なかなか得点が奪えない苦しい展開が続いたが、後半アディショナルタイムの植田直通の得点によりなんとか1-0で勝利を収めた。
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この試合で注目を集めていたのは、先発入りを果たした19歳の久保建英だ。同選手はこの日、ビジャレアルのウナイ・エメリ監督から「適応してほしい」と言われている左サイドハーフに入った。決して慣れているとは言えないこのポジションでどれだけ力を示すことができるかは、大きなポイントになっていた。
久保はさっそく見せ場を作った。2分、鈴木武蔵が右サイドを突くと最後はグラウンダーのクロス。反対サイドから駆け込んだ久保がダイレクトでシュートを放った。代表初ゴールとはならなかったが、試合の入りとしては十分なアクションだった。
しかし、その後は守備に追われる時間も増えたことでなかなか持ち味を発揮できず。コートジボワール代表の激しい守備にも苦戦した。高いテクニックを発揮してボールをキープし味方を活かす、効果的なランニングを見せクロスを放り込むなどのシーンも作っていたのは事実だが、全体的に存在感はあまり大きくなかった。
結局、久保は61分に南野拓実との交代でピッチを退いている。シュート数は1本、アタッキングサードでのパスは8本で成功率38%、ドリブル数2回という成績だった。久保はこの日最初の交代となったが、それも納得のいく結果と言えそうだ。
やはり左サイドでのプレーは難しいのだろう。左利きの選手が同ポジションに入ると、どうしてもタッチライン際でのプレーが増える。仕掛けるにしても中ではなく縦が多くなる。当然、中への切り込みにキレがある久保の良さは消え、必然的にゴールからは遠ざかる。決定機に絡む回数が減るのは無理もない。
左サイドから中へ切り込んだとしても、左利きの久保は視野が横かマイナス方向に限られる。これは久保だけではなく、左利きの選手全員、あるいは右サイドの右利き選手にも共通することだ。やはり伊東純也のような縦にズバっと抜けられるほどのスピードや加速力がなければ、久保の左サイド起用は難しいのかもしれない。
話は少し逸れるが、アルゼンチン代表でも同じことで苦労している選手がいた。パウロ・ディバラだ。左利きの同選手はユベントスでは右サイドや中央でプレーしているが、代表ではリオネル・メッシという大器が右サイドに君臨するため、ディバラは左サイドに回されることが少なくない。するとディバラでさえ、輝きを失ってしまう。
メッシは以前、このことについて「彼はそこ(左サイド)でのプレーに慣れていないと思う。僕も左サイドではプレーしないし、僕たちが一緒にプレーすることでより困難になるんだ。僕らは、カットインできる右サイドや前線でのプレーを得意とするからね」と話している。
メッシの言葉は久保にも当てはまるだろう。やはり右サイドからのカットイン等を得意とする選手が左サイドを担うのは容易ではないのだ。コートジボワール代表戦の久保は、とても難しい状況でプレーしていたと言える。
(文:編集部)
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