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日本代表で今最も注目すべきは冨安健洋。対アフリカ勢で再証明したワールドクラスの能力

text by 編集部 photo by Getty Images

冨安健洋
【写真:Getty Images】

【日本 1-0 コートジボワール 国際親善試合】

 日本代表は13日、オランダ・ユトレヒトで行われた国際親善試合でコートジボワール代表と対戦している。

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 9日のカメルーン代表戦を0-0で終えた日本代表は、この日も苦戦を強いられた。何度かサイドから良い形を作ったものの、コートジボワールの守備をこじ開けることはできず。後半頭はほとんどの時間を自陣で過ごすなど、モヤモヤしたまま時間だけが過ぎていった。

 後半アディショナルタイムに途中出場の植田直通がセットプレーからゴールを決め1-0で勝利こそ収めたが、カメルーン代表戦に引き続き、やはり攻撃陣の迫力不足感は否めなかった。勝利で終えたことは評価できるが、「攻め」という点では収穫よりも課題が残ったと言えるのかもしれない。

 そんな中、奮闘を見せたのが守備陣だ。カメルーン代表戦に引き続き、このコートジボワール代表戦も完封。10月シリーズ2試合を1勝1分で終えることができたのは、間違いなく後ろの踏ん張りがあったからだ。

 日本代表で長くプレーする吉田麻也は随所でさすがのプレーを発揮した。空中戦と地上戦で強さを発揮し、室屋成のカバーリングも的確に遂行。スピードが持ち味のジェルビーニョに対しても簡単に飛び込まず、しっかりと我慢してやりたいことをさせなかった。その他の局面でも常に冷静さが光るなど、ベテランの貫禄を示していた。

 そして、このコートジボワール代表戦でかなり印象的なパフォーマンスを残したのが吉田の相棒を務めた冨安健洋だ。

 イタリアの地で評価をぐんぐん伸ばしている若き守備職人は、フィジカルコンタクトに強いコートジボワール代表戦士にも一切負けず。パスが出る瞬間に素早く動いて身体をぶつけることで相手の自由を奪い、起点を封じていた。まさに、冨安の真骨頂とも呼べるプレーだ。

 左サイドバックに入った中山雄太のサポートも集中力高く行った。コートジボワール代表の右サイドにはアーセナル史上最高額の男ニコラ・ペペがいたが、同選手にほとんど仕事を与えていない。18分の場面ではスピードに長けるペペより先に走り、ランニングコースに入ってボールをカットするなど、素晴らしい対応を見せていた。

 そして、際立っていたのがビルドアップの質だ。冨安の利き足は右だが、同選手は左足の精度も水準以上。左足で持ち運び、左足で精度、速さともに申し分ないパスを送り込むなど、スキルの高さを発揮した。左利きのセンターバックがいない日本代表にとって、冨安のような存在は大きすぎると言えるだろう。

 CBとしてスピードが水準以上にあり、クレバーで足元の技術も高く対人にも強い。昨季ボローニャでサイドバックを担ってからはより攻撃への意識も高まっており、最終ライン全般はもちろんボランチを務める柔軟性も兼備。冨安は現代型CBとして、すでにワールドクラスへの階段を上り始めているとみていいだろう。今夏はミランからの関心が噂されたが、近い将来ビッグクラブの主力に躍り出てもおかしくはない。

 このレベルでまだ21歳というのは、日本代表にとって明るいニュースだ。久保建英でも南野拓実でもない。我々が今最も注目すべきは、冨安健洋なのかもしれない。

(文:編集部)

【了】

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