スタートから3バックを
2020年の初陣となった9日のカメルーン代表戦はかなり厳しい戦いを強いられた。前半は相手のポゼッションを前に守備の時間を増やされ、後半からは3バックシステムに移行したものの攻撃陣が不発。最後までテンポアップできず、スコアレスのまま試合を終えた。
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その一戦から中3日、森保ジャパンは少なくない課題を抱えたまま、今度はコートジボワール代表との一戦に挑む。相手はFIFAランキング60位と日本代表を下回るが、プレミアリーグで活躍するウィルフレッド・ザハ(日本代表戦は欠場)やニコラ・ペペ、ミランの主力であるフランク・ケシエなど実力者揃い。カメルーン代表より手強い相手となる可能性も、十分高いと言える。果たして勝利を奪うことはできるか。
コートジボワール代表戦では、カメルーン代表戦で出番がなかった選手、あるいは途中出場だった何名かの選手を先発に起用していく可能性がある。今回はそうした点を踏まえながら、スタメン案を紹介していきたい。
GKはシュミット・ダニエルの起用を推す。コートジボワール代表の前線には身長188cmのクリスティアン・クアメ、同183cmのペペなど長身の選手が揃っている。彼らの高さを封じるためにも、権田修一や川島永嗣よりも背の大きさで勝るシュミットを最後尾に置く意味は、決して小さくないのではないか。
カメルーン代表戦では4バックでスタートしたが、やはり長友佑都不在の左サイドは問題だった。安西幸輝は攻撃的な姿勢こそ良かったが、守備面では自身の背後を幾度となく突かれている。一列前の原口元気の負担もかなり大きかった。
そのため、コートジボワール代表戦ではスタートから3バックを採用しても良いだろう。後ろ3枚は右から植田直通、吉田麻也、冨安健洋だ。3人とも対人戦には決して弱くないので、コートジボワール代表の屈強な攻撃陣にも十分に対応できるだろう。なかでも植田には注目。カメルーン代表戦で抜群の安定感を発揮した吉田と冨安に負けないほどのパフォーマンスを披露してほしい。
右ウイングバックには伊東純也を推す。カメルーン代表戦では途中出場だったが、持ち味であるスピードを活かすなど、うまく試合に入った。その快速はコートジボワール代表相手にも通用するだろう。あとは長い時間、守備面でどれだけ貢献できるかに注目したい。
左ウイングバックは、カメルーン代表戦の後半で同ポジションを務めた菅原由勢でどうだろうか。決して慣れているポジションとは言えないが、将来を考えても試す価値はあるはずで、3バックシステムの場合、自身の背後に冨安という存在がいることも様々な面で菅原にとってプラスとなるだろう。インパクトを残し、長友の後継者争いを一歩リードしてほしいところだ。
久保建英、南野拓実、鎌田大地の前線を推薦
カメルーン代表戦では柴崎岳と中山雄太の中盤底2枚のパフォーマンスがあまり良くなかった。
中山は積極的なプレスが光ったが、ビルドアップの質が低い。何度かパスがズレていた。そして柴崎はフィジカル面で相手に劣ってしまい、身体を寄せても前を向かれ、数的優位な状況を作られることが少なくなかった。コートジボワール代表の中盤にもケシエというフィジカルコンタクトに強い選手がいる。彼に仕事を与えると厄介だ。
そこでコートジボワール代表戦では遠藤航と板倉滉の2枚を推薦したい。両者ともにボールを奪うという能力には長けており、ビルドアップでの貢献度も悪くない。とくに前者は所属するシュツットガルトで好調を維持している。クラブで活躍している選手は積極的に使ってほしいところだ。
2シャドーの一角には久保建英を推したい。カメルーン代表戦では途中出場となったが、終盤には惜しいフリーキックを放つなどゴールへの意慾をみせている。コートジボワール代表戦では中央である程度自由に動きながら、味方をうまく活用してボールも人も前に前に押し出してほしいところ。レフティーの柔軟なプレーは必ず相手守備陣の脅威となるはずだ。
2シャドーのもう一人は鎌田大地でどうだろうか。1トップに推す声も少なくないが、やはり同選手はCFの一列後ろで使いたいところ。久保と同じく中央であらゆるタスクを担ってほしいが、非凡なシュートセンスを持つ鎌田にはよりゴールに近いエリアでの仕事ぶりに期待したい。
そして最前線には南野拓実だ。日本代表ではこれまでトップ下が主戦場だったが、所属するリバプールでは1トップを務めることが多い。代表チームでも試す価値はあるだろう。
CF候補には鈴木武蔵もいるが、同選手はスピードを駆使した“相手守備陣の背後”への意識が高い。1トップよりもシャドーで起用した方が持ち味は活きるだろう。しかし、南野はボールを引き出す動きも上手く、味方を活かす技術も悪くない。2列目の選手など周りのアクションに合わせて柔軟にプレーできることは、リバプールでも証明済みだ。多彩なパターンで攻撃を活性化する久保、鎌田らの能力を消さないためにも、南野の1トップ起用は意味がある。
(文:編集部)
【了】