カウンターを生んだバイエルンの守備
早速ですが、バイエルンの1点目のシーンから見ていきましょう。ぜひ、ハイライト映像と一緒に見ながら振り返ってみてください。これは、守備から攻撃につなげた非常にわかりやすい例です。
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まずは時系列で、このシーンを振り返ってみましょう。バイエルンの背番号18(レオン・ゴレツカ)が、バルサの背番号5(セルヒオ・ブスケツ)の右足側を切っています。ブスケツの利き足側を切ることで、バルサの攻撃を左サイドに誘導しています。
その後、ゴレツカはプレスをかけ、ブスケツに圧をかけています。これによりブスケツは、得意の利き足側ではない左足でボールをもたされています。さらにプレスで圧をかけられたブスケツは、最も近い味方に苦し紛れのパスを出します。
ここを狙っていたのがバイエルンの背番号25(トーマス・ミュラー)です。ゴレツカと同じ高さにいたミュラーは、ゴレツカとブスケツ、バルサの背番号21(フレンキー・デ・ヨング)の動きを見つつ、背後から足を伸ばし、ボールを奪います。そこからカウンターがさく裂し、ゴールが生まれました。
バイエルンがボールを奪ったシーンでは、三角形の頂点にいる【3番】の選手(バイエルンの背番号6 チアゴ・アルカンタラ)は、バルサのCF(ルイス・スアレス)へのパスコースを切りつつ、斜め前のパスコースも狙える「門番」の役割を担っています。
さらに注目してほしいのは、【2番】(バイエルンの背番号25 トーマス・ミュラー)の立ち位置です。まずミュラーは、バルサの左サイドへの展開を遮断しています。遮断をしながら三角形の面積を狭めつつ、カットを狙っています。
日本でよく見られるのは、【2番(ミュラー)】が、もう少し深い位置(このシーンでは審判 のところ)まで絞ってしまうシーンです。いわゆるカバーの位置に戻ってしまうことです。【2番】の選手がこの役割を担ってしまうと遮断ができず、横への可能性がすべて空けてしまうことになります。
(文:内田淳二)
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