【写真:Getty Images】
23日に行われたガンバ大阪戦に出場したのを最後に、現役生活を終えることになった内田篤人。日本代表や鹿島アントラーズ、そしてドイツの強豪シャルケで主力として活躍を続けたキャリアの中で、最も思い出に残る試合に挙げているのがドイツ移籍1年目のバレンシア戦だ。
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「3点目のカウンターでチームメートが走り出したのを後ろから見た時に、スタジアム全体が揺れていたというか。この試合をやるために僕はシャルケに入ったんだなと思えるほど印象的なシーンでした」と内田は、24日に開いた引退会見でもその場面を振り返っている。
2010年に加入したシャルケでレギュラーポジションを確保した内田はチャンピオンズリーグ(CL)でもグループステージ突破に貢献。決勝トーナメント1回戦でスペインの強豪バレンシアと激突したシャルケは、アウェイでの1stレグを1-1のドローで乗り切ってホームへ戻った。
2011年3月9日に行われたホームでの2ndレグではバレンシアに先制を許す苦しい展開となったが、ジェフェルソン・ファルファンとマリオ・ガブラノビッチのゴールでシャルケが逆転。それでも1点を返されればアウェイゴール数で敗退となる緊迫した状況で、シャルケの準々決勝進出を決定づける3点目が生まれたのは後半アディショナルタイムに入った94分だった。
後に内田との息の合ったプレーで“相棒”と呼ばれることになるファルファンがロングボールに反応し、最後の攻撃を繰り出していたバレンシアが空けたスペースを疾走。そのまま一人で持ち込むとGKとの1対1を巧みなループシュートで制し、シャルケ本拠地の熱狂は最高潮に達した。
続く準々決勝で長友佑都の所属するインテルも下したシャルケはクラブ史上初のCL準決勝に進出。内田も日本人選手として初のCL準決勝を戦うことになった。その後も現在に至るまで、宇佐美貴史がバイエルン・ミュンヘンで決勝のベンチに入ったことはあったが、CLの準決勝以降の舞台でピッチに立つ日本人選手は現れていない。