マッチプレビュー
【写真:Getty Images】
シティにとってリヨンは決して簡単な相手ではない。
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プレミアリーグを含めて国内三冠を達成した昨季、一度も勝てなかった唯一の相手がリヨンだった。CLのグループリーグで激突し、リヨンはシティとのアウェイゲームで下馬評を覆す勝利を収めた。そしてリターンマッチとなった本拠地での2度目の対戦はドロー。2試合で勝ち点4を稼ぎ出した。
当時からリヨンの監督は代わり、システムや戦い方は変わっている。タンギ・エンドンベレやフェルラン・メンディ、リュカ・トゥザール、1stレグで1得点1アシストを記録したナビル・フェキルといったキーマンたちもすでに退団している。
ただ、それでも選手たちはシティに対する苦手意識を持たないだろうし、より番狂わせが起こりやすい一発勝負の環境でのびのびとプレーするだろう。
現地13日に行われた試合ではRBライプツィヒがアトレティコ・マドリーを下し、クラブ史上初のCLベスト4進出を果たした。前日にはパリ・サンジェルマンが後半アディショナルタイムの劇的な逆転でアタランタを撃破している。
こうした試合を目の当たりにして、一発勝負の怖さは身にしみているはずだ。シティとて一瞬も気を抜くことはできない。
ペップ・グアルディオラ監督も現地14日に行われた前日記者会見の中で「(例年とは)全く違う。いつもなら1stレグを戦いながら、片目は2ndレグの方を向いているものだ。FAカップやリーグカップで慣れてはいるがね。セカンドチャンスはなく、残るか出ていくかだ。アプローチは全く変わってくる」と気を引き締めていた。
昨季ホームでリヨンに敗れた時、目立ったのは個人のミスが決定的なピンチを招いた場面だ。26分の1点目はファビアン・デルフがフェキルからのクロスを処理できず、マクスウェル・コルネにゴールネットを揺らされた。
そしてリヨンの2点目は、フェルナンジーニョからボールを奪ったフェキルのミドルシュートだった。百戦錬磨のブラジル代表MFが不意を突かれた原因はジョン・ストーンズの自陣内での不用意な横パスだ。2ndレグで取り返すことのできない今回は、こうしたつまらないミスを最大限減らさなければならないだろう。
前回大会でシティから2試合で3得点を奪ったコルネは、リュディ・ガルシア監督に左ウィングバックという新たな役割を与えられて成長を続けている。当然、今回の対戦でも相当な自信を持って臨んでくるのは間違いない。
対するリヨンが勝ち筋を見出すには、中盤の攻防がカギになる。ピッチを大きく使って守備ブロックのほころびを作ろうとするシティに対し、焦れることなく全体をコンパクトに保ち、アウアーやブルーノ・ギマランイス、カケレといった中央の選手たちを起点にカウンターでゴールを狙いたい。復帰から好調を維持するデパイにいい形でボールを届けることが勝利への近道だ。
リュディ・ガルシア監督は現地14日に行われた前日会見で「戦術的な側面も重要だが、組織力はこの試合でうまく戦うための武器になる。我々は皆、お互いに手を取り合っている。冒険を続けるために全てを捧げる準備はできている」と、チームが鉄の意志で1つの目標に向かって団結することの重要性を強調した。
現時点でPSGとライプツィヒ、そしてバイエルン・ミュンヘンが準決勝に駒を進めている。リヨンがシティを打ち破ることができればベスト4にフランス勢とドイツ勢のみというシナリオもありうる。
優勝候補と見られるラ・リーガやプレミアリーグの強豪が不在の準決勝は実現するだろうか。シティ対リヨンはポルトガルの首都リスボンのエスタディオ・ジョゼ・アルバラーデで現地15日21時(日本時間16日4時)キックオフ予定となっている。
【了】