マッチプレビュー
【写真:Getty Images】
シャフタール・ドネツクは不思議なクラブだ。ウクライナに本拠地を置きながら、長年主力を担ってきたのはブラジル人選手たち。ウィリアンやドグラス・コスタ、フェルナンジーニョ、フレッジなど、のちに欧州トップクラブで活躍することになる逸材たちを発掘して育て上げてきた。
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今季もスカッドの半分近くをブラジル人が占め、監督は2人連続で同じ言葉を話すポルトガル人が務める。南米らしい即興性が高く自由闊達な前線に欧州基準の戦術的要素を植えつけ、今季もぶっちぎりでウクライナリーグ4連覇を成し遂げた。
UEFA主催大会の常連で、欧州クラブランキングでも18位につける実力は本物。大きな武器になっているのは強力3トップが一挙に襲いかかる高速カウンターだ。
ブラジル代表歴を持つタイソンは2013年からシャフタールに在籍しており、ウクライナ国籍を取得して同国代表になったジュニオール・モラエスやマルロスと形成する3トップは抜群の連係で相手ゴールに迫る。
そして2列目からアラン・パトリッキやマルコス・アントニオも飛び出してきて攻撃に厚みを加える。超攻撃的なブラジル人らしい右サイドバック、ドドーの豪快な攻め上がりも対戦相手にとっては脅威になるだろう。
バーゼルを率いるマルセル・コーラー監督も「シャフタールは多くのブラジル人選手を抱え、テクニックに優れ、スピードも豊かな、非常に統率のとれた素晴らしいチームだ」と警戒を口にする。
ディフェンスラインの柱だったジョージア代表DFダヴィド・ホチョラヴァが出場停止なのは痛いが、攻撃陣には守備面の不安を上回るだけの期待感がある。ホーム&アウェイではなく一発勝負になったEL準々決勝では爆発力も重要だ。
一方、シャフタールを率いるルイス・カストロ監督は「バーゼルはファビアン・フライやタウラント・ジャカ、サムエレ・カンポなど強力なMFを揃えた、非常にアグレッシブなチームだと見ている。前線にはとても自己主張が強くアグレッシブで激しいプレースタイルのアルトゥール・カブラルがいて、左サイドにはアフィミコ・プルルーもいる。彼も非常に強力だ」と具体的な選手名を挙げてバーゼルを警戒し、「我々は非常に複雑な試合に直面している」と気を引き締めていた。
互いに強力なアタッカー陣を揃えたシャフタールとバーゼルが激突するEL準々決勝は、現地11日21時(日本時間12日4時)キックオフだ。
【了】