得点力不足を解消できるか
昨シーズンはミゲル・アンヘル・ロティーナが監督に就任し、リーグ最少失点の守備陣を作り上げた。序盤戦こそ苦戦したが、その後は調子を上げていき、5位でシーズンを終えている。
優勝争い、そしてAFCチャンピオンズリーグ出場権獲得を目指す今季は、4シーズンで113試合に出場したソウザ、3シーズンで82試合に出場した水沼宏太が移籍。昨シーズンのベースを残しつつ、主力が抜けたポジションには新たな選手を加えている。
水沼と昨季21試合に出場した田中亜土夢も抜けたサイドハーフには、新加入の坂元達裕が入りそうだ。東洋大学からモンテディオ山形に加入した昨季は、リーグ戦全試合に出場して7得点3アシストの成績を残した。ドリブルを得意とするレフティーは、水沼が務めていた右サイドのポジションの有力候補。今季から正式に加入した同じ左利きの西川潤も、定位置争いに加わることになるだろう。
ソウザが抜けたセンターハーフには、ブラジル人MFのルーカス・ミネイロが加わった。シャペコエンセから加わったミネイロは23歳と若く、ブラジル全国選手権(セリエA)でも31試合に出場している。2年目を迎えるレアンドロ・デサバト、藤田直之、奥埜博亮とポジションを争うことが予想される。
絶対的守護神のキム・ジンヒョンも含めた守備陣の主力は全員が残留した。左サイドバックには、期限付き移籍した鹿島アントラーズで14試合に出場して2得点を挙げた小池裕太が新たに加わった。シント=トロイデンでもプレーした小池は、バックアッパーが不在だった丸橋祐介とポジションを争うことになるだろう。
前線には3年ぶりのJリーグ復帰となる豊川雄太が加わっている。昨季6得点をマークしたブルーノ・メンデスは期限付き移籍を延長し、右膝のケガで5月11日以降のシーズンを全休した都倉賢も開幕前に復帰を果たした。鈴木孝司、柿谷曜一朗、高木俊幸と、タイプの異なるFWが並んだ。
前線は選手層の厚さが増したようにも見えるが、得点源となりそうな選手がいないことが懸念される。昨季は奥埜博亮の7得点を筆頭に、メンデスが6得点、柿谷は3得点と、前線の数字は物足りない。ベルギーで1得点しか挙げていない豊川と、復帰したばかりの都倉も未知数だ。FW陣の活躍が今季のカギを握るだろう。