【写真:Getty Images】
30年前の1990年6月8日、世界に衝撃を与えるひとつのゴールが生まれた。イタリアワールドカップ開幕戦でカメルーン代表がアルゼンチン代表を破る決勝点となったFWフランソワ・オマン=ビイクのゴールだ。
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アルゼンチン代表は前回大会を制した世界王者としてイタリアに乗り込んでいた。4年間の1986年大会といえば、ディエゴ・マラドーナの“5人抜き”や“神の手”など数々の伝説を生み出して世界一に輝いた大会だった。
そのアルゼンチンに挑むカメルーンは、現在ではアフリカを代表する強豪国の一角として知られているが、当時はアフリカ自体がサッカー界ではまだまだ未知数の新興勢力。マラドーナらを擁する王者に対し、圧倒的不利が予想されるのも当然だった。
だが61分に退場者を出しながらも、カメルーンは「不屈のライオン」の名にふさわしい奮闘を見せる。67分、ゴール前に大きく浮き上がったボールにオマン=ビイクが反応すると、驚異的な跳躍力からのヘディングをゴール前に叩きつける。GKの対応ミスにも助けられ、世紀の番狂わせを生む決勝点となった。
大ベテランのFWロジェ・ミラの活躍などでさらなる旋風を巻き起こしたカメルーンは、アフリカのチームとしては史上初のワールドカップ8強へ進出。アフリカ勢がその後のサッカー界で一大勢力として台頭する先鞭をつける存在となった。