日韓ワールドカップ(2002)
【写真:Getty Images】
背番号10:ヨハン・ワレム(スタンダール・リエージュ)
生年月日:1972年2月1日(当時30歳)
個人成績:3試合出場/1得点1アシスト
戦績:ベスト16
ベルギー代表デビューは1991年と早かったが、ワールドカップに縁がなく1994年、1998年の2大会はメンバー入りを逃していた。2002年の日韓大会がワレムにとって初めてのワールドカップの大舞台だった。
エンツォ・シーフォやルク・ニリス、大分トリニータでもプレーしたロレンツォ・スターレンスといった1990年代後半を彩った名手たちはすでに一線を退いていたものの、当時のベルギー代表は明らかに高齢化が進んでいた。ワレム自身もすでに30歳で、エースのマルク・ヴィルモッツも33歳。2002年のワールドカップ出場メンバー23人のうち過半数の12人が大会開幕時点で30歳を超えており、24歳以下の選手は3人しかいなかった。
そんな中でワレムはグループリーグ初戦の日本代表戦に最も得意とする左サイドで先発出場。グループリーグ第3戦のロシア代表戦、決勝トーナメントのブラジル代表戦にはセントラルMFとして先発出場した。ロシア代表戦では1得点1アシストと輝いたものの、チームはベスト16で敗退してしまう。
この大会後のベルギー代表は世代交代の失敗が長く尾を引き、ワールドカップ出場を2大会連続で逃す。そして2010年にはFIFAランキングで68位まで低迷することになる。30歳で初めてワールドカップに出場して背番号10を任されたワレムは、ある意味で時代の転換点を象徴する選手の1人だった。
2005年にイタリアのカターニアで現役を引退した後のワレムは、指導者に転身して主に育成年代の指導に携わってきた。古巣アンデルレヒトのBチームやウディネーゼの下部組織、U-21ベルギー代表などでの指導を経て、現在はキプロス代表監督を務めている。